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殺し屋のあなた
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殺し屋のあなた 48

狙撃銃らしい銃声…逃げ出した連中の一人が倉庫出入口周辺で物言わぬ肉塊となる。
「世の中そんなに甘くない…てか?」
狙撃手を警戒しつつ、肩を竦めるレイザー…逃げれば味方に殺される…どうも彼らは雇い主に恵まれていないらしい。
生き残りがヤケクソ気味に展開する。私兵団は時折フルオート射撃で闇と静寂を引裂きながら隊列を組直す。
激しい銃火のなか、ラストとルナは再び闇に消え、カノンとレイザーは互いに援護しつつ高い位置を確保する…。
「畜生どこ行きやがった?」
…ころん…
「…手榴弾…!」

味方に警告を発した後、手近な物陰に伏せる。
…不発…
「畜生!脅かしやが…」
緊張の解けた私兵団に、カノンとレイザーから9mm弾の集中豪雨…降水確率100%の血の雨だ。
「バーカ、こんなトコでんなもん使うかよ…」

「いやっほぉう!」
…なんなんだコイツ…?
右手にM16ライフル、左手でショットガンをブッ放しながら、常人離れした身体能力で…ギャング流の目茶苦茶な戦いを繰り広げる窮鼠。
「た…助けてぇ…ママァ?」
泣き崩れる男を窮鼠がなだめる。
「しょうがねーなー?」

「だったら先に天国に行ってなよ。大好きなママもすぐにそっちに送ってやっから。と、ゆー訳で零距離発射。君の視界はフェイドアウト。ばいばいびー」
などと訳の分からないことをほざきつつショットガンを兵士の額にあてがった。
かちり、とトリガーを引く。
「なヴぇ!」
「きゃーん!脳みそ弾けちゃったー。キモー」


「く、、っそぉおお…ふざけおって砂利どもめぇ…クリス!何をやっておる!賊を早く皆殺しにせんかぁ!」
戦火が及ばない倉庫の外ではプロイバが激怒していた。
「くそっ、くそっ、くそっ!もう少しだと言うのに!もう少しでこの国を支配できる政権を手に入れられると言うのに!こんなところで終われるかぁ!」
「どうか気をお静めになってください!プロイ、ぐわっ」
士官兵がプロイバの気をたしなめようとするが逆に殴られてしまう。
「うわ〜…大荒れですよクリスさん。どうします?」
少し離れたとで、その光景をみていたクリス。
「仕方ない。自分の身から出た錆をどこからか嗅ぎ付けられたんだ。その上力を持ってるからどうにかしてその錆に感づいた奴を消そうとしているのさ」
「はぁ…つまり自業自得な訳ですけど、それを認めないって訳ですか」
「あんまり要約できてないが…そう言う事だな」
「で、錆って何なんでしょうね?」
「さあな。だがどうせあの小物のやることだ。大した事じゃないだろう。っていうか錆だらけだと思うが。君たち兵士の間でもプロイバの噂くらい流れているだろう?」
「ええ…おっと、こっちに来ますよ」

多分今までの話をプロイバに聞かれていたら大変なことになっただろう。しかし今のプロイバにはもちろん周りの事など頭に入らない。
「クリス!貴様何をしている!5,6人の賊に何を手こずっているのだ!」
「はっ。申し訳ありません。しかし敵もかなりの手馴れで」
「言い訳は聞きたくない!とにかく何とかしろ!」
クリスのいうことも聞かず頭ごなしに怒りをぶつけ、プロイバは去っていった。
「怒られましたね〜。結局何しにきたんでしょうかね?」
「まったくだな」
クリスはそう言って一瞬苦笑して
「仕方ない。私が出よう。銃を持ってきてくれ」
すぐに表情を変えた。

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