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殺し屋のあなた
その他リレー小説 - アクション

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殺し屋のあなた 49

クリスが身支度を整えている間にも、私兵団はその数を減らされてゆく…。
「老いぼれ…ダーティーハリーにでもなったつもりか?」
100m、夜間では辛うじて肉眼で相手が捉えられる距離…狙撃手達は44マグナムを構えるタキの姿をスコープごしに確認…ぐしゃ…。
「ぐぁ?」
月明り…スコープの反射光を頼りに44マグナムが捉えた。奴らの武器はせいぜい拳銃か短機関銃、射程は短い…とタカをくくっていた。しかし古株の殺し屋タキにとって、闇夜の100mは十分有効射程内。反対に経験の浅い狙撃手達にとっては…。
ある者は『怒り』またある者は『恐怖』にまかせ…スコープの先の老兵を捉えようと乱射するが、タキはそれを嘲笑うかのように躱し…平常心を失い狙撃が粗くなっているだけなのだが…発射炎を目標に反撃しながら接近…ついにはスコープでは捉えられなくなった。
「どこ行きやがったあ!」
生き残った最後の一人から狙撃銃が取り上げられた。
「てめぇ何しやがる…?」
彼は肉眼でそいつを捉えた。そいつは何のためらいもなく、彼の首をへし折った。
「ルナ嬢ちゃん、そっちはどうだ?」
油断なく索敵しながら尋ねるタキ。
「特に問題はないわ」
短くルナは応える。だがレイザーたちの動向が多少ルナは気になる。
「あの二人はどうなっているのかしら?」
隣にいたラストにルナは話しかける。
「さぁな・・・。仮にも組織では二つ名を持っている奴らだ。問題はない」
「だけど・・・心配なのよ。彼らは、私たちの知らないところで死にそう・・・」
刀をより一層強く握り締め、ルナは殺気を強める。頭の中ではわかっている。そんなことなんてないと・・・。だけど・・・心がそう叫んでいるようだった。
「ルナ。今はこの戦いに集中するんだな」
「そうね・・・!!」
ルナは刀を横一閃に振った。
「さて…これで半分位は消えたかな?」
レイザーは言いながら、ベレッタに新しいマガジンをぶちこみ、初弾を装弾した。
「しかし、やっこさん等退くことを知らないのか?いくらなんでもこれくらい人数が削られれば体制を立て直す筈だがな…まさか、ダンスパーティを服用してるのか」
「安心したまえ、それはないよ。レイザー君」
レイザーは、身を潜めた、うず高く積み上げられたセメント袋から顔を出すこともなく、聞き知った声に返事をする。
「なら、何故こんな猪突猛進な攻め方しかしないんだ?指揮はあんたが執っているんだろう?慎重なあんたに似合わないやり方じゃないか」
「なに、君の裏切りに主人が大層お怒りでね。アメとムチのやり方で兵達の士気を上げているというだけさ」

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