Gear〜鍵を成す者〜 23
光の中から女の声がした。光は次第に弱まり、そこには銀の鎧をつけた女の姿が現われる。
「金色じゃないのか…」
生唾をのみ、リオは真剣な顔でそう言った。
「…見た目に惑わされないことね!!」
銀の鎧は重装感に欠けたが、どこか異様なオーラを発していた。
鎧の女は走り出す。左腕についている盾から剣が飛び出て、空中でそれをキャッチした。
「私の剣技に…、耐えられるかしら!!」
鎧の女は飛んだ。彼女は錬金獣の頭の上で回転すると、その勢いを使って剣を振りおろす。
ガガガガガ!!
鎧の女の攻撃は、空中で回転したまま止まらない。
「くっ…、早くやられなさいよね!!」
鎧の女は構えを変えて、刃を錬金獣の頭に突き立てた。
パキパキ…
「!!」
女の剣にヒビが入り、そして割れた。
「キャア!!」
女の攻撃が止むと同時に、錬金獣が反撃にでた。錬金獣はその大きな尻尾を振り、鎧の女をなぎ倒す。
「そこまで!!次は僕とやろう、ドラゴン君…、力比べだ、トマ!!」
リオは女の折れた剣を地面から拾うと、一言残して走りだす。
「借りるね、“オバサン”」
「お、オバサン!?」
地面を這うよに走るリオ。右手にあった剣は、いの間にか見事に修復されていた。
「うおおおおお!!」
リオに握られている剣が、青い光を放ちながら錬金獣に襲いかかる。
ズガガガ、リオの青い剣は、難なく錬金獣の頭を真っ二つにした。
グギャアアア、錬金獣の巨体が横に倒れる。
「手加減したな、トマ!!」
ドスッ
リオの首の後ろで、鈍い音がした。
バタッ