Gear〜鍵を成す者〜 19
「なんか嫌な予感がする」
若い男はボソッとつぶやいた。
「おい、ソル!!お前の出番だぞ」
商人は数回指を曲げ、呼ぶそぶりをした。
「まあいい…いいか少年、おとなしくそこを通すなら黙って帰してやろう」
「通さなかったら?」
「痛い目に…」
「よかったな、リオ」
隣にいた赤兎が言った。
「弱かったね」
リオは笑顔で答えた。
「荷台の二人、どうするんだ?」
「樽までは見られないよ、きっと」
ガタガタとうるさい音をたてる馬車が、大きな帽子をかぶった人物を乗せて城門までやってきた。
「王に呼ばれた商人の方ですね?ようこそゴンドラへ、申し訳ありませんが身分証明書を提示願いますか?」
見覚えのある番兵がリオに話しかけた。
「身分証明書ね、身分証明書…」
リオは座席の脇に置かれていた袋をあさった。しかしいくら探しても、それらしきものが見つけられない。
「どうされました?」
「ちょっと待ってくださいね、今見せますんで、え〜と…」
「座席の下…」
見覚えのある番兵がリオに話しかけた。
「身分証明書ね、身分証明書…」
リオは座席の脇に置かれていた袋をあさった。しかしいくら探しても、それらしきものが見つけられない。
「どうされました?」
「ちょっと待ってくださいね、今見せますんで、え〜と…」
「座席の下…」