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ドラゴンクエスト[〜それから〜
その他リレー小説 - 二次創作

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ドラゴンクエスト[〜それから〜 64


エイクは白い壁に囲まれた廊下を走り続けていた、いくら走っても景色は変らない。それでもその先にミーティアがいると信じて走っていた。
「そうだ、ククー…」
仲間を呼ぼうと振り返ったエイクが見たのは、崖だった。踵(かかと)から後ろの世界は闇に包まれ、全てを飲み込んでしまいそうだった。
「何だ、これ…」
その光景を見て一度は狼狽えそうになったが、エイクは前を見つめ再び走り出した。
カギン!!
「なんだコイツ!?マルチェロじゃないのか?」
ククールがマルチェロの一撃を防ぎながら叫ぶ。
「フフフ。…死ねぇ!」
マルチェロが疾風の一撃を放ちククールに襲い掛かる。
「なんなのよ!?」
ゼシカが横からマルチェロに鞭で牽制しようとするが…バチン!
何者かによって鞭が弾かれた。
「…何であなたが居るの??……ドルマゲス!!」
そこには倒したはずのドルマゲスが気味の悪い薄ら笑いを浮かべながら不気味に竚んでいた。
次の瞬間、ドルマゲスの持つ杖が不気味に光り、燃え盛る火球を放った。
「ッ!双龍打!」ゼシカが鞭を振り上げドルマゲスの火球を打ち払う。火球は割れ、ゼシカの脇を通り壁に衝突、爆発した。
バカーーン!! 
「クッ!?」
ゼシカが爆発の衝撃に一瞬気を取られていると
「ヒャハ、ヒャハハハ!ヒィャハハハハハ!!」
目前に先程の倍はあろう火球がドルマゲスの頭上に発生していた。
「マズイ!」
ゼシカは急いで防御呪文を唱えようとするが間に合わない。
「メゥラァズゥオーマァ!!ヒャハハハ、シネェェェ!!」
灼熱の太陽がゼシカに迫る。
「させるかー!斧無双!」
ヤンガスが飛び出しメラゾーマに渾身の一撃を放った。
グァッシュァー!!
ヤンガスの一撃によりメラゾーマは霧散し、してやったりと斧を再び構え直そうとしたが、
「熱!?しまった、斧が!」
ヤンガスの斧はメラゾーマの高熱に耐え切れず柄の部分を残し完全に蒸発していた。
慌てて武器を鎌に替え、ゼシカと供にドルマゲスと対峙した。






エイクは走っていた。ただひたすら前だけを見て。仲間を信じて
「……見えた!」
前方に光り輝く扉が見えてきた。すると周りの白い壁が広がっていく感覚に襲われた。
それでも走るのを止めずに行くと、壁がだんだんと光に吸い込まれる様に消えていった。
エイクは扉の前に立ち見上げてみると、それは美しかった。光り輝く扉には龍の紋章が刻まれており、その周りには何かの魔法陣が描かれていた。
芸術家が見たら卒倒しそうなほどに美しかったがエイクには何か足りないような、物悲しい感じがした。

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