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ドラゴンクエスト[〜それから〜
その他リレー小説 - 二次創作

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ドラゴンクエスト[〜それから〜 49

突拍子のない答えにみなが驚く中、ヤンガスがおずおずと聞いた。
「トーポって、誰でがしょ?」
「エイクが連れてるネズミさんよ。ちょっと不思議なネズミでね。そうねぇ……」
ゼシカが辺りを見回してから、グルーノの髪に目を止める。彼はイタズラを見つかった子どものような顔をして、頭をカリカリと掻いた。
「そう!ちょうどこんなたてがみがあったわ」
ククールがエイクのポケットをぽんと叩き、トーポの不在を確かめてから顔を上げた。
「驚いた。確かにソックリだな」
「やっぱり!トーポなんだろ?」
「うむ。お前が里を追放された時、わしはネズミに姿を変えて、お前を見守る事にした。それ故に、今まで旅の事は承知している」
エイクの話を冗談だと思っていたククールは、苦笑いをした。
「ほ、本当かよ?」
「嘘のような話だが、信じてもらう他あるまい」
エイクたちの前にチーズケーキが出される。
「里の自慢のケーキだ、よかったら食べてくれ」
金色に輝くそれを見たゼシカが叫んだ。
「おいしそう!」
早速一口食べ、至福の笑顔を見せた。
「やっぱり女性は甘いもんが好きでがすな」
そう言うヤンガスも目がキラキラしている。みながケーキにお茶を楽しんだ後、グルーノが人払いをした。
「口に合ったようで何よりだ。さて、本題に入ろう」
すぐさまエイクが竜王の話を切り出した。
「父さんは竜王と会ってるんです。そこに、幼いヴァンとティランジアがいたのを見ました」
二人の名を聞いてゼシカとククールが目を見張った。グルーノは俯いたまま話を聞いている。
「もしかしてあの二人は、エイクと何か関係があるの?」
ゼシカが質問をすると、グルーノは頭を上げ話だした。
「うーむ、ヴァンとティランジア…その二人とエイクは深い関係…いや、切っても切れない関係と言うべきかな?エイクよ、試練の書を貸してくれないか」
グルーノの目はいつしか、優しい祖父の目になっていた。
エイクはなんの迷いもなく、取り出した試練の書を手渡す。
「竜王が試練の書を欲しがるのには理由がある。一つは『隠れ家がバレる為』、もう一つは『エイクを次の竜神王にしない為』」
エイクがきょとんとした顔で尋ねた。
「僕が…竜神王に?」
仲間たちも不思議そうな顔をしている。
「左様。この『試練の書』がおぬしを選んだのだ、エイク」
グルーノの節くれだった指が『試練の書』を一枚一枚めくっていく。
「『隠れ家』って何のことでがすか?」

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