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ドラゴンクエスト[〜それから〜
その他リレー小説 - 二次創作

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ドラゴンクエスト[〜それから〜 50

「この里では竜王を倒すための作戦をたてているのだが、奴の『隠れ家』が分かってない」
溜め息をついて話を続けるグルーノ。
「この里も何度か襲われていて、敵の現れる大体の方角は分かっていた、しかし調べてみると意外な事実に気付いたのだ」
「意外な事実でがすか?」
グルーノは頷く。
「奴らは…空から突然現れるのだ」
グルーノの眉間に深い皺が刻み込まれる。
「じゃあ『隠れ家』は空なんじゃねーのか?」
それに対して、グルーノは低く唸るだけだった。ククールが両手を挙げ、ドラゴンの羽ばたきを真似た。それをゼシカが軽く制して言った。
「あたしたちがヴァンとティランジアを見たのは、真っ白い壁の塔だったわ」
「おぬしら、二人に会っておるのか」
驚くグルーノに、みなが頷いた。
「確か、真っ白な空間に塔だけがポツンと立ってたんだ」
ククールがそう言うと、ゼシカは背負っていた竜の杖をグルーノの前に差し出し、この杖のチカラで時空を移動したんだろう、と付け加えた。
「その塔に、竜王たちが居たの。ヴァンとティランジアは、二人とも竜王の呪いのせいで腕輪を着けてたわ」
グルーノは腕組みをしながら二人の話を聞いていた。
「呪い、か…。そうかもしらんな」
自嘲気味に笑い、エイクに目を向けた。
「エイクよ。この里がお前を追い出したのは、何もお前が人との間の子だったからではない」
四人が互いに顔を見合わせる。一体何が原因だというのか。
「あの日…竜王は、お前の身体から『竜の血』を吸い取ってしまったんだ。ウィニアが必死で抵抗したんだが」
そこまで言うと、グルーノは静かに目を閉じた。
「ヴァンとティランジアは、お前の血から生まれたのだ」
エイクがはっと息を飲む。
「僕の…『竜の血』から、あの二人が?」
「竜王は、そんな芸当ができるんでがすか?」
ヤンガスの問いに、グルーノは顔を歪めた。
「方法は…すべて、ここに書いてある」
さらに『試練の書』を指差して、彼が言った。
「『竜の血』をお前に戻すやり方も、な」

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