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ドラゴンクエスト[〜それから〜
その他リレー小説 - 二次創作

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ドラゴンクエスト[〜それから〜 30

一人困惑した表情をしているエイクに、ククールが気付いた。全くもう、と肩をすくめる。
「どうしたんだよ、エイク。あの二人がくっつくのは時間の問題だったろ?」
ポンと彼の肩を叩く。
「嫌、そうじゃな……」
「エイク。」
ゲルダがエイクたちを見回して、ゆっくり口を開いた。
「アンタたちに話しておかなきゃならないコトがあるんだ。」


「……で、話ってなぁに?」
ゼシカが焚火に木をくべながらゲルダに問うた。それを合図に、他の四人は思い思いに腰掛ける。
「そうだったんだー……。」
エイクが惚けた表情のまま言葉をこぼした。思ったよりショックを受けたように見えた彼に、ゼシカが「大丈夫?」と声をかける。それには答えずに、エイクはムムと唸り、暫くしてポンと手を叩いた。
「そっか!だから、がすがす言わなかったのか。」
「おい!」
ククールが思わず合いの手を入れる。
「いや、さっきから何っか違和感があるなぁと思ってたんだよ。」
「エイクったら!」
ころころ笑う三人を見て、ゲルダとヤンガスは安心したように顔を見合わせた。
「あ、竜の呪いって何?変身しちゃうだけ?」
エイクの問いにゲルダが声を詰まらせた。
「……アタシたちにもよくわかんないんだよ。ただ、」
「ただ?」
三人が身を乗り出す。
「サザンビーグにいるザフィスって人なら、もう少し詳しく知ってるかもしれないね。」
「エイク、休んだらサザンビーグに行こう、元々その予定だったんだし」
ゼシカが立ち上がる。
「そうと決まれば、俺はカンダタをアスカンタに送ってくるぜ」
ククールが階段を駆け降り、カンダタを連れてきたかと思うと、ウインクをし、そのまま外へ飛び出していった。
「ちょっ…」
ゼシカとククールの素早い行動に唖然とするエイク。
「ふふっ。アンタはいい仲間を持ったもんだね。」
ゲルダが目を細めて笑った。
「うん……。」
きょとんとした顔をするエイク。それに気付いたヤンガスが声を掛けた。
「どうしたんだ?兄貴。」
「いや、ゲルダさんの笑顔ってあんまり見たことなかったなあと思って。」
ゲルダがはじかれたように飛び上がった。
「な、な、な、何言うんだい!」
握り拳を振り上げたゲルダに、エイクはにこにこ笑って答えた。
「結構かわいかったよー?」
すとんと手を落とす彼女。
「……全く、この子にだけは敵わないよ…。」
とひとりごちた。

そして、翌日。サザンビーグに四人が到達した。
サザンビーグでは、度重なるドラゴンたちの奇襲により城壁が破壊され、その修復作業で慌ただしかった。
「ザフィスはいないかい?」
作業中の男達に遠慮なく声をかけるゲルダ。
「おお、ゲルダのお嬢じゃねぇすか、お元気でやした?」
作業を止め、皆笑顔でゲルダを迎える。
「遊びに来た訳じゃないんだ、ザフィスはいないのかい?」

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