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ドラゴンクエスト[〜それから〜
その他リレー小説 - 二次創作

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ドラゴンクエスト[〜それから〜 3


エイクはその後、ミーティアが拐われた事をトロデ王に報告した。そして、ミーティアを捜す…助け出すという使命を負う。

使命ではなく…

自己意識なんだけど。

そしてエイクは城に仲間を呼び寄せた。
「兄貴のためならなんでもやるでげす。」
中年の盗賊のような男、体には戦闘経験が豊富と言わんばかりの傷…ヤンガス。
「もぅ。エイクってば勝手なんだから。」
まず始めに、胸に目がいくほどの巨乳、2つに髪を束ねている、どこか厳しいゼシカ。
「エイクの頼みなら仕方ねぇっか。」
辺りが光に満ちるほど、美形。
騎士のような男、ククール。
久しぶりに、旅の仲間が揃った。

会う必要もねぇやって思ってたけど、顔を合わせるとやっぱ嬉しい。

「…で、捜すアテはあるわけ?」
ゼシカが腕組みをしながら、俺に詰問する。
「相変わらず手厳しいな、ゼシカお姉様。」
ククールが彼女の肩にするりと手を回す。それを見据えて一言。
「燃やすわよ?」

変わらない仲間たち。
足りないのは、…君だけだ。
ミーティア……

足りないなんて…

嫌だから…

俺の中に

君が必要だから。

俺が果てようと

君を助けるから…。

君を助けるから…。

拳を固く握り締めた。血が皮膚の上からにじんでくるのが分かった。
でも痛くなかった。

それよりも…
君が居ない事が
痛かったから。

パコーン!!

誰かの拳がエイクの頭にめり込む。

さすがに痛かった。

「いってぇ。」

頭を抱えこみ、その人物を睨んだ…。
でも睨むのをすぐやめる。
ゼシカがそこに居た。だからだ。

目が燃えている。
この状態は一番やばいのである。
「……全く。」
ゼシカは組んでいた腕を解き、キュッと締まった腰に手を当てる。

そして、満面の笑みで。「エイク?これから私たちはどうしたらいいのかしら?」
だが燃えるような瞳はそのままに。

本気で怒ってる…。

このままじゃ、マジで燃やされるかも。

「ミーティア姫の部屋に残されていた杖が手掛かりになると思うんだが……。」

「だが?」

ゼシカがずいと一歩前に出た。
ゼシカの怒りが殺気に変わったような気がした。

とりあえず俺は早足でその場を去り、ミーティアの部屋へ向かった。

あの杖だ。

龍を飾ったあの杖。

手掛りはアレしかないのだ。

しかも…

一瞬だけ。

ミーティアと出会う前…俺の過去が見えたような気がした。
気付いた時はトロデーンの兵士だった。
側にはいつも、笑ったり泣いたり怒ったりしている…ミーティアが居た。

守ることが多すぎた。
俺は。

君だけを守るつもりだったのに。

やがて、エイクはあの杖の前まで来ていた。
ゼシカの言うとおり、手掛りは…ない。

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