機動戦士ガンダムSEED DESTINY ANOTHER 1
閃光
爆音
回る世界
鈍い痛み
立ち上がって
広がる景色
「うわあああああああぁぁぁ!!」
少年は
ただ、泣き叫ぶことしか出来なかった
力が欲しい。
少年は強く願った。
もう二度と、失わぬように
もう二度と、同じ悲しみを繰り返さぬように
そして、たったひとつの光を絶やさぬようにと。
「シン・アスカ、コアスプランダー行きますッ!」
少年は力強く羽ばたいた。
鋼鉄の翼に身を包みながら。
力が無いのが悔しかった。
もし俺に力があれば俺はあの時家族を・・・自分の大切な人たちを守れたはずだ・・・だから俺は力を手に入れた・・・・そう、手に入れたハズだった・・・なのに俺はまた守れなかった・・・・それどころか俺は自分が手に入れた力で、逆に多くの物を傷つけてしまった・・・つまり俺が選んだ道は結果として間違っていた・・・でも、じゃあどおすれば俺は自分の大切な人たちを守れるんだろう・・・俺はあの戦争から六年たった今でも、まだその答えを見つけてはいない・・・。
「シン、どうしたの?突然黙っちゃって」
「ああ、何でも無いよルナ、少しぼ〜としてたみたいだ」
「そう?まあシンが抜けてるのは何時もの事か」
「酷い言われようだな・・・」
「まったく・・・来月には私たちの結婚式があるのよ。今からこれじゃあ先が想いやられるわね」
そう言って俺の恋人で婚約者のルナマリア・ホークは幸せそうに笑う。
俺の名はシン・アスカ、俺たちが住んでいるスペースコロニー(宇宙都市)ディセンベル・ツーを含む百以上のスペースコロニーを領土とする国家Peoples Liberation Acting Nation of Technology ピープルズ・リベレーション・アクチング・ネイション・オブ・テクノロジー(科学技術に立脚した民族解放国家)通称プラントの国軍であるザフトの軍人だ。
プラントは遺伝子操作によって、生まれながらに高い能力を持って生まれてくる人々。通称コーディネーターたちによって建国された国家で、俺もルナもコーディネーターだ。