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French Kiss
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French Kiss 5



あの日以来、悠也は今まで以上に美羽のことを“守るべき存在”として見てきた。
本当は一緒に帰るために部活も辞めようとした。そりゃあサッカーは好きだけど美羽の方が大切だから―俺が守らなければ―という気持ちのほうが強かったから。
まぁそれが美羽に見つかった時ときたら…
『普段温厚な奴がキレたら怖い』
を身をもって体感したね。
いつもなら、うるっとした瞳の上目使い(身長のせい…いや、おかげ…んや!あいつ自体に自覚がねぇから悪質なんだ!まぁ俺は慣れたけど他の野郎には…はぁ、タチがわりぃんだよなー。)なのに!
すうっと目を細めて、すんげぇ冷ややかな目で見やがんの!
しかもしばらく口聞いてくれなかったし。
結局。
・俺はサッカーを続ける
・行きは龍斗、帰りは雪音と一緒に帰る
で仲直りっつー事になった。
俺としてはまだ納得はしきれてないがこの状況が長く続くよりはましと考え妥協した。
ちなみに、雪音は美羽の親友。姉御肌のこいつにまかせときゃ安心だろう。
中国に留学してた親父の影響で少林寺習ってるし、女なのにそこいらの男でかなう奴はいないってゆー噂だし。

龍斗にいたっては、小学生のくせに美羽よりでけぇ。

これで登下校は安全だけど…
男嫌いか。話すのも怖がっちまって。まぁ俺や雪音がフォローしてるから大丈夫なんだけど。
それに雪音に事情話した時は美羽とはまた別の恐怖を味わってし。あいつ美羽のこと超溺愛してっから。
「私の美羽にそんなことするとは…ふっふっふ。骨の髄まで痛めつけてやるわ。」
笑顔なのが逆に怖い。マジ目がイっちゃってたかんね、マジで。



そんなこんなで美羽には
『男慣れしてない純粋な女の子』
っていうイメージが定着した。
実際、そうなんだし言い寄る野郎も減って、これでいいのかな、なんてさ。
3年になり俺がサッカー部を引退すると、登下校はもちろん。学校でも休日も、いつも一緒だったから美羽にとっても1番の存在は俺だということに疑いは全くなかった。ずっと“いっしょ”。そう思ってた。

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