はみんぐデイズ 2
大丈夫、これは無意識に言ったことなんだ。気にするな、あたし。ムカつくな、あたし!!
多少モヤモヤする胸を押さえながら、自分の席に着く。
「はいミナサン、席につきなサーイ♪」
やや片言、つーかロボット口調な先生が入ってくる。
そこであたしは一つの変化を見つけた。
名は知らないが隣の男子。小さい紙に何かを書いてはシャーペンの中に詰め込んでいた。やっぱし正義感には自信があるあたし。すぐに手を挙げて先生に伝えなくては!!
「先生!この男…」
と言おうとした瞬間。
隣の男子の持っていたシャーペンが物凄い勢いで砕け散った。
「ワタシは気付いていましたヨーォ?」
目をキュピーンと輝かせ、怪しい笑みを浮かべる先生。両手にはチョークが握られている。
「次は本体を…イヤ、筆箱でもブッ壊しマショーカ…」
いやいや本体はまずいだろ!!と思っているあたしの隣は、肩をガクガク震わせていた。
「す…スイマセン!もうしません!!」
「ウルサイ。カンニング野郎は出て行きナサイ!」
その一言で悲しげな様子を見せた男子は、しょぼしょぼと教室から出て行った。
「今ので分かったと思いマスが、カンニングなどシナイデ下さいネ♪もしやったら…白い石灰の塊がアナタの未来を…」
その一言で静まり返る教室。
カンニングしようとしたヤツだろうか、冷や汗流しながら証拠隠滅しようとしている。
まぁあたしは、カンニングなんて姑息な真似、絶対にしないからな!
「ではテストを配りマース♪」
静まり返った教室に、先生の声が響く。
前の席から回ってくる問題用紙を、あたしは後ろに回す。
「では。第4回魔法検定・第2級始メ!!」
これに受かるとあたしは2級になれる。