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空はいつまでも…
恋愛リレー小説 - 少年/少女

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空はいつまでも… 16

−拝啓 八島恭一様−
えへへ、ちょっとカッコつけて拝啓なんて、書いてしまいました。
突然、やってきた私を受け入れてくれた恭一とおじさん。
そして、突然去って行く私をお許しください。
もしかしたら、恭一は『いなくなってせいせいするぜ』とか言うかも知れません(笑)
何故、私が恭一の家に来たかを説明したいと思います。
実は、私の両親は事故で死んだのです。
問題は、両親のいない私を誰が引き取るのかという問題になりました。
親戚の人たちは、面倒な問題なので押し付けあっていました。
けど、恭一のお父さんが『お前らみたいなのに、亜由美ちゃんは渡せない』と言って私を引き取ってくれました。
元々、私のお父さんと恭一のお父さんは交遊があったみたいで私とも何回か遊んでくれて親しかったの。
そして、一緒に住む事になったの。
でも、現実がそれを許さなかったみたいで、親戚の人たちが話し合った結果…赤の他人に私を育たせるわけにはいかないという結論が出たみたいです。
ホントは花火大会で恭一がくれた浴衣を着たかった。
でも、浴衣を着るとアナタから離れられなくなると思って着れなかった。
なので、浴衣はちゃんと物置部屋にしまっておきました。
最後に私は恭一の事が大好きでした。
どんなに離れても空は私たちを、いつまでも見てくれています。
そう、いつまでも…
−追伸−
身体にはお気をつけください。

「大好きじゃねーよ!バーカー!!」
オレは叫んだ。大好きな人の悪口を…
オレは、辺りを見回した。
あれ?ココはドコなんだろう…
がむしゃらに自転車をこいでたものだから、ドコを走っていたのかもわからない。
「ちくしょー、迷子かよ」
なんて切な過ぎる展開だ。
ホント、シュールだ。
「若いって、良いねぇ。行く宛てもないのに飛び出す事が出来る」
親父だった…
「最近って、便利な時代になったよな。
迷子な息子がいても、携帯で何処にいるかわかるんだから」
「オレを子供扱いするな!!」
「子供だろ。何も考えずに飛び出す愚かモノなんだから」
「うっ、うるさい!!」
「はい、コレ」
親父はオレに紙切れを差し出した。
「この紙に、お前が望む事が書いてある」
オレは、その紙切れの内容を見た。
そこには、亜由美が住む親戚の住所と電話番号が載ってあった。
「サンキュー、親父!」
倒れていた自転車を立たせてオレは、また自転車に跨がった。
「おい、親父!地図くれ!!」
「若いって、良いねぇ。転んだ後もすぐ立って走れる。うんうん、若いって、良い」
「お前はブツブツとうるさいんだよ!!」

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