あたしの恋 1
もし、私がその選択をしなかったら……。
今、何をして、何を考えてるんだろう。
たまに、そう思う。
別に何か不満があるわけでもないのに。
二十代になったら、何か変わる気がしてた。
普通なら「してた」で終わるはずなのに。
―ーー私の人生は変わってしまった。
バイト先の更衣室で、着替えていた。
やっと仕事が終わって、安堵感からか家に帰れるとか思うのは、まだまだ子供の時と変わらない。
でも、ずっと仕事柄立ちっぱなしなので、
やはり足は痛い。
さっきからさすってマッサージしてるのに。
それに加えて、制服のブラウスのボタンがうまく
はずせず、イライラしていた。
「おつかれさまです」
控え目にドアが開いた。
私より、2ヶ月後にバイトに入ってきた留美ちゃん。
年齢は、二つ下でいつも学校の制服で出勤してくる。
「お疲れ」
やっとブラウスを脱ぐことができた。
「……何か、お疲れみたいですね」
鋭い。もしくは、私の顔が相当疲れているかだ。
「うん、ちょっとね。いろいろ考えることあって」
「えー何ですか? 私で良かったら相談してくださいよ」
相談しようか。と、そんな悩むような内容でもない、
私は、迷わず話し始めた。
「明後日ね。小学校の同級生の結婚式なの」
「へぇ、ハタチで結婚ですか〜」
わーおめでたいですね。と拍手している。
清純派の留美ちゃんの反応は、いつもこんな感じだ。
「それと、同窓会も兼ねてやるみたいなの」
「同窓会?」
それが、どうしたの?って顔をしている。