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×掃除
恋愛リレー小説 - 青春

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×掃除 1

「優理ー、課題はー?」
担任の問いに優理は固まる。
「ごめんなさい…」
「また!?持ってこよーよ!」
担任はあきれたように言う。

「今日のプリント未提出はバツ掃除!!」
「おい、またやんのかよ〜優理〜!笑」
「優理、マジ忘れすぎぃ〜!」
クラス中から、そんな声があがる。
当の本人はあっちゃーというように笑った。

変な子…と直哉は思った。
「王子ー?王子もバツ掃除だからねv」
担任の一言でクラス中の目が直哉にうつる。

こくっと首で返事をしてから、直哉は考えた。

…俺はいつからどこの国の王子になったんだろう。
帰りのHRが終わり、教室内の生徒もまばらになる。
『直哉くん。』
直哉は、頬杖をついて窓の外で部活が始まるのを眺めていた。
『掃除、』
ふ、と直哉の視線が教室に、優理に動く。
『あ…』
当番に気付いて掃除用具入れから塵取りを取り出す。
『俺も、手伝うから。』
『いいよ、平気。直哉くん忙しいでしょ?それに、掃除当番なのは私が悪いんだし。』
『ああ。』
そんなことはお構いなしで、優理が集めた埃に塵取りが近づく。
『箒、』
『あっ、ハイ!』
優理は慌てて箒を動かす。
(ああ、やっぱり変な女だ…)


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