ハーブティー 1
私は愁 黎婪【しゅう れいらん】、今インディゴの夜の撮影現場に来ている。
何で、ここに居るのかと言うと私はハーブコーディネーターと紅茶コーディネーターの資格を持ち、紅茶の出すシーンの手伝いをしてるため。
私の彼氏は加藤和樹で、インディゴの夜のクランクインする前から付き合ってて、出会ったのが私の仕事先のカフェ。
私の淹れる紅茶にハマったらしく、後にインディゴの夜をやるって聞いて監督に話をしたらしく、紅茶の出るシーンでの紅茶を淹れてくれと、その監督スカウトされてしまった。
そのスカウトの話を受けようか迷って和樹に相談したところ、優しい笑顔で『黎婪の紅茶は最高だし受けなよ。』と言われ快く受けたの。
店内の撮影のみ私は影でずっと和樹の演技を静かに観て、いつもの優しい和樹が大人で逞しくカッコイイ和樹の演技に、頬や耳まで紅く染まる程ドキドキしてしまっている。
(和樹カッコイイ…)
そぅ思ってる時に本日の撮影が終わった。
「黎婪ちゃん今日もお疲れ様。」
近くに居た監督が目の前に来て笑顔で優しく肩を叩いた。
「お疲れ様でした。」
私は監督に笑顔でお辞儀した。
「明日も宜しくね。」
「はぃっ明日も美味しい紅茶を淹れます。」
お互いに挨拶を終わり監督は帰り、私は和樹の側に行った。
「和樹お疲れ様、後でハーブティーを淹れるね。」
私は見上げ微笑んだ。
「ありがとう、今日も美味しそうだったよ。」
甘く低い声で、和樹は優しく微笑みながら、華奢な私の肩を抱き寄せながら言った。
「相変わらず熱いね。」
森口瑤子さんが前からやってきた。
「瑤子さん、お疲れ様でした。」
私は一旦離れ、お辞儀した。
「黎婪ちゃん今日の紅茶も、凄く美味しかったよ。」
「ありがとうございます。」
「今度、プライベートに店に行くわね。」
「お待ちしてます。ぁっ…」
バックから手作りのハーブ化粧水を出し瑤子さんに手渡した。
「瑤子さん、これ頼まれてた化粧水です。」
「黎婪ちゃん、いつもありがとうね。」
「いぇっ、無くなりそうになったら、また言ってください。」
「黎婪ちゃんの手作りハーブ化粧水は凄く効くからね。」
「そんな事ないです。」
私は照れて俯いてしまった。
「和樹くん、こんな素直で謙虚な可愛い彼女を離すんじゃないわよ。」
瑤子さんは和樹の肩を優しく叩いて笑顔で去ってった。
「はい。」
和樹は、瑤子さんの後ろ姿にお辞儀をした。