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恋愛リレー小説 - 同性愛♂

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今年一年で、アイツとこんなに一緒にいれるのも最後だって思うと、寂しい反面少しホッとする。

もうアイツのこと困った顔させる心配がなくなるから。

きっと会わなくなったらこの気持にも踏ん切りがつくだろう。

そう思ってた。

でもその考えは甘かったんだ。

自分の気持ちに気付いてからのこの2ヶ月だけで、俺はもう限界だったんだから…
授業がそろそろ終りを告げようとしたころ、アイツの携帯が鳴った。

メール。多分女からの。アイツは最近サークルの女から迫られているみたいで。
よく頻繁にメールが来ていた。

そりゃ、俺が女だったらほっとかないよな。そんなことを考えながら、自分の発想に思わず笑みがこぼれる。

俺が女だったら?
そしたら彼女になってたのかな。

…俺は本当に参っているようだ。
叶いもしない願いを思うなんてどうかしてる。

「…きら。明?」

気が付くと俺は直樹と昼飯を食べてて、俺のラーメンが伸びてるのを教えてくれたとこだった。

「最近就活で疲れてるからなぁ。あんま無理すんなよ?」

だからそうゆう優しいこと言うなよ〜。
半ばヤケになりながらラーメンを掻き込む。

テーブルが振動で揺れる。

直樹の携帯だ。

どうやら今日の彼女はいつになく積極的らしい。
アイツもマメなほうだから、相手の好意に気付かずメールを返すことはざらだった。

「なぁ、直樹はさ。彼女作る気は無いわけ?」
正直に言うと、俺は自虐的な方だと思う。

アイツに女が出来たら諦められるかもしれない。

そう思ってたんだから。

「俺?…どうだろ。俺のこと好きになってくれる人がいたらいいんだけどさ。」

モテ無いからさ、俺。と笑いながら言うアイツ。俺はなんだかメールの彼女に同情した。
アイツは自分のことをやけに過小評価しすぎなんだ。

誰にでも分け隔てなく付き合えるとこや、育ちの良さが滲み出る立ち居振る舞い。
それでいて決して傲慢ではなく、自分よりも相手を気遣うとこなんか、俺からしてみたら尊敬に値するのに。

一度そんなことをアイツに言ったら、軽く笑ってありがとうと言われた。

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