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日常茶飯事ではない日常茶飯事
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日常茶飯事ではない日常茶飯事 1

『赤い世界との遭遇』

赤い展望台。赤いベンチ。赤い空。
「…赤い世界?…」
輝は無意識に呟く。
目の前にあるもの全てが赤いのだ。空から地面からすべてである。
「……んー、夢だな。うん、夢に決定」
「いやいや、夢ではないアルよ」
誰かに話しかけられる。
それは若い、おそらく輝と同じ二十歳前後。チャイナドレスを着た女だった。
「やあ、青年」
「……お前は――」

「うふふ、皆まで言わなくていいアルよ。このチャイナドレスアルね。君の性欲を敏感にさせる深いスリットにこの美脚。ダブルパンチで今にも我慢出来ないと?…仕方ないとは思うアルが今はダメね、君には使命があるからね。そうお楽しみはその後アル――ってどこ行こうとしてるね?」
彼女は翻って行こうとする輝の服を掴む。
「まぁ、前置きが長かったね。簡単言うね」
こほんと咳をし、彼女は言う。
「これからある人間を殺してほしいね…君には拒否権はないアルよ」
彼女はスリットにおもむろに手を突っ込み、無数の紙束を取り出す。
「はい、これ詳しい資料ね…あとこれパンツに挟んでたわけちがうよ。マジックね。私の持ちネタだから真似ダメよ」
彼女は顔を赤面し
「ちなみに今日のパンツは純白ね。純朴さを出してみたね。さて、ここまでで質問あるかな?スリーサイズはその資料に書いてアルよ」
「…スリーサイズにパンツの色はいらんとして、特にないさ…」

なぜこの世界は赤いのか?お前は誰なんだ?お前は赤くないのはなぜだ?大体、何言ってるんだ?など、あったが質問はしない。

なぜならこれは夢なのだ。
輝はタバコを取り出し、吸う。
彼女は輝の心を見透かしたように
「君は今、夢だとか思ってるね?こんなのありえないと」
「当たり前だ。こんな現実あってたまるか」
彼女はため息をつく
「良くいるね、こうゆう全然信じない奴は。中にはいきなり襲いかかってきた変態もいるね。人間も堕ちたね」

「へぇー夢のくせに設定こまけえな。そゆカッコしてるからじゃないか?それとそのパンツ教えたりすること含めてな」
いきなり、彼女は微笑する。
「これは君のための特別待遇アルよ。朝凪 輝君」
友好的に見える笑顔を浮かべる彼女。
「君は女に困る顔してないし、女をそれほど好きではない。いや毛嫌いしてる一面もアルね。原因は昔、酷い失恋したか――」
拳を振り上げる。
彼女はバックステップで、突如、輝が繰り出した拳を避けた。
「…危ないね。顔を怪我したらお嫁に行けないね」

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