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日常茶飯事ではない日常茶飯事
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日常茶飯事ではない日常茶飯事 2

「所詮、俺の夢だ。貴様が怪我しようが死のうが問題ない」
微笑しながらも瞳は真剣なチャイナ娘と悪魔的な笑いを浮かべた輝は双方睨め合う。

「…ふふふふ、ふふふはっははははは」

沈黙を破ったのはチャイナ娘の笑いだった。
輝は怪訝な顔をする。

「…何を笑っている?元々壊れた奴だと思ったがさらに壊れたか?」
敵意を剥き出しにして言う輝に対し、彼女の顔は対照的に笑顔になっていく。
「そう、その殺気アルよ。女など関係なくいきなり殴る精神。自分勝手な言動。そしてそのケンカ好き。まさに私の理想アルね」

「……何を言っている?」
「ふふふ、すまないね。つい興奮してね」
輝は相手の懐に入ろうとするが、チャイナ娘が回し蹴りを繰り出してくる。
咄嗟に避け、輝は悪態つく。
「…ちっ。マゾならば、よかろう」
「興奮とは言ったが、その意味違うね。……今パンツ見たアルか?」
「………回し蹴りするお前が悪い。それに俺の夢だし良かろう」
周りの世界と同じように顔を赤くする彼女。
「男の言い訳見苦しいね。まぁ、君のような男ならいくらでも見せて良いね」
「………」

「それと、恋愛について無神経なこと言ってすまないアル。…このとおりね」
頭を下げる彼女。
チャイナ娘の意図が見えず、輝は困惑する。
「目的はなんだ?」
「……君に期待してるということアルね」
彼女が片手を挙げると、赤い世界が崩れ始める。
空が剥がれ、地面は亀裂が入り、空間がガラスのように割れる。
「なっ!!」
輝は驚きの声を上げた。
「何をした!お前っ――」
彼が慌てた声で尋ねるが、チャイナ娘は落ち着いた声で話す。

「もし君が使命を果たした時は、豪華特典とご褒美をあげるアルよ」
輝の足元が崩れさる。奈落の底のような真っ暗な闇に吸い込まれるように輝は落ちていく。
「いい忘れてアルが、私の名前は恋歌ね…夢かどうかはもうすぐ分かるアルよ」
チャイナ娘、恋歌の声が遠ざかる。恋歌の足元も地面はないのに、落ちることなく、平然と立っていた。
彼は恋歌を落ちながら睨めつける。だんだん意識が消えていくなか声が聞こえた。

「そこからパンツは見えるアルかー?」
次、夢で会うときはぶん殴ってやると輝は心に刻んだ。
そして、輝は意識を手離した。


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