嘘から始まる恋ゴコロ
恋愛リレー小説 -
青春
書き出し
「有賀 渚さん。俺も、ずっとあんたのことが好きだったんだ・・・!」
放課後の自転車置き場、ふいに呼び止められたと思ったら突然告白された。
(・・・誰?この人?見たことはある気がするんだけど・・・。)
なにがどうなっているのか分からず、あたしは呆然としていた。
「あのぉ・・・。」
おずおずと尋ねようとしてふいに彼の手元に目が行き、血の気がサァーっとひいた。
(なぜにあなたがその手紙を持っているのぉ!?)
彼が手にしていたのは、夕べ何度も書き直し今朝隣のクラスの片思い中の彼杉山 翼の下駄箱に入れた・・・ハズの手紙。
突然の告白の原因がわかったあたしは、目の前が白くなるのを感じた。
(手紙・・・入れるトコ間違えたあぁっ)
「俺・・・。図書委員で、一緒になった時から有賀さんのことずっと見ていたから・・・手紙、すごく嬉しかった。」
彼はうっすら耳を赤く染めながら満面の笑みで言った。