初体験はお姉ちゃんそして…… 96
「あ、ちょうどバスが来るよぉ。」
「ナイスタイミングだ。」
また循環バスに乗って(これもアトラクションなのかな?)3D映画を見に行く。
「ここだ。」
「この眼鏡をつけるのかなぁ?」
「そうだね。」
「眼鏡してる人はぁ?」
「眼鏡の上からするんだよ。」
「あ〜あの人がそうだぁ。」
「指を指さない。」
「はぁい。」
「それでは眼鏡をかけ映画をお楽しみください。」
「ぶつかるぅ!」
「静かに!」
「そうだった。」
茜は何度も目の前に手をかざしていた。
「なんか本当に掴めそうだったんだけどなぁ。」
「だったらすごいな。」
「次はどうしようかぁ。」
「あそこに汽船があるからあれに乗ろう。メリーゴーランドの前までいけるよ。」
「お兄ちゃん頭いいねぇ。」
「少し考えないと回りきれないよ。」
ボ〜ッ
汽笛の音がして船が進み始めた。
「凄ぉい。」
「風が気持ち良い。」
「わ〜あそこのタワーなんだろ?こっちにはマウンテンコースターがみえるぅ。」
「あんまり走り回るなよ。」
「え〜大丈夫だよぉ。」
「落ちたらシャレになんないぞ。」
「そのときは飛び込んで助けてくれるでしょぉ。」
「う〜ん……」
「何で考え込むのぉ?可愛い妹の危機だよぉ。」
「本当にそうなったら助けるけど、そうならない様に注意する必要はあるな。」
「正解!」
「それは茜の台詞じゃないだろ。」
「まもなく下船です。お手回り品にご注意ください。」
「さあそろそろ降りるぞ。」
「うん。」
「またご利用ください。」
「メリーゴーランド行こぉ。」
「走らなくても……」
「早くぅ。」
「そんなに並んでないから大丈夫だよ。」
「船から降りた人が一斉に来るでしょ。」
「それはあるな。」
「これ乗ろう。」
「何で馬車?」
「一緒に座れるからぁ。」
「次は射的やろう。」
「さて、どれだけ当たるかな。」
ジャキン、ズキューン
ジャキン、ズキューン
ジャキン、ズキューン
「あんまり当たらないよぉ。」
「全弾命中したら商売にならないよ。」
「よーしこうなったらぁ。」
「どうするの?」
「あの遠くにある高そうなやつだけ狙う。」
「無茶だと思うよ。」
ジャキン、ズキューン
ジャキン、ズキューン
ジャキン、ズキューン
そして最後の1発……