ツインズ・パニック 46
そう頭を撫でていると、麻友がやってきた。
「ごはんの用意できたよ」
「ありがとうな、麻友」
麻友はエプロンを外し、全裸で俺の隣に腰かける。
「由梨をあんまり甘やかしてはいけないよ、お兄ちゃん」
「由梨はお兄ちゃんが大好きだから甘えてもいいのですっ!」
俺の首筋にしがみついた由梨を、麻友がニヤニヤと見ている。
「そうやって昨日もパパに甘えて・・・『パパと離れたくないですっ!、付いてきますっ!』って言ってたの誰だっけ?」
「ふひゃっ?!、バラすのズルいですっ!!」
何となく理解した。
亜美さんも昨日しがみついて、離れたくないと泣いたんだから、きっと由梨も同じ光景だったんだろう。
亜美さんもそうだが、由梨のそんな所も可愛いとしか思わなくなってきてる自分に笑いたくなる。
「じゃあ、そんな由梨がパパを恋しがらないようにしてやらないとだな」
「お兄ちゃん、まずはごはん食べてからにしようね」
意外とこんな所は麻友の方が大人だ。
「そうだな…いいにおいがするし、冷めてからじゃもったいないよな」
「そうそう」
「後でチンすれば無問題…痛いいひゃい、麻友痛いです」
「由梨もそういうところはひねくれないの」
「…わかったです」
ということで3人で晩御飯。
意外だがこの組み合わせは初めてかもしれない。
実は全員ほぼ裸、というのはこの際考えないでおこう。
「お兄ちゃん、沢山食べてね・・・ごはんも麻友もおかわりし放題だから」
「おい、言い方が下品だぞ」
「へへっ、麻友はエッチな事しか考えないエロエロ大魔王なのよ!」
軽いノリで付き合い易いのが麻友のいい所だ。
こんな風にふざけたかと思えば、時折びっくりするぐらい大人な事も言う。
本当に不思議な子だ。
「麻友・・・意外と料理上手いんだな」
「意外は余計よー・・・まあ、由梨の方がママの味そっくりで麻友は好きだけどね」
料理も亜美さんにそっくりと言われて由梨の顔が引きつる。
亜美さんも料理は旨かったから、そっくりと言われる由梨もきっと旨いのだろう。
「不本意ですぅ」
「いいじゃん、好きな人に喜んで貰えるなら」
それは麻友の言う通りだろう。
誰に似てようが旨ければいいのだ。
「麻友は肉じゃがとかお味噌汁とかポイントだけ押さえておけばいいかなって思ってる」
「・・・お前、いい性格してるよ」
胃袋で男を落とすって事を知ってやがるなと、麻友のこんな所は感心してしまう。
打算と言えばそれまでだが、打算が可愛く見えるのだからこれはこれでいいんだろう。
なんというか、いろいろとぶっ飛んでいるところはあるんだけど、本当のところは家庭的でとてもいい子なんだなと思う。
それは亜美さんにも言えることで、そこが似ているってことじゃないかと思うようになった。
「由梨はお魚を捌けるのです」
「へぇ、親父釣り好きだから、釣ってきた魚捌いたのか?」
「パパが釣った魚はパパが捌いて・・・由梨の身体で女体盛りにして由梨ごと食べられてたよ」
「麻友っ!、またばらすなんて酷いですっ!!」
何をやってんだと言いたい所だが、こう言うエロが日常で育ったから仕方ないと言う事か。
「ご主人様達にも散々女体盛りさせられたけど・・・パパにされるのは幸せだったよ」
「・・・それは否定しませんです」
やっぱりそうなんだよな。
エロく仕込まれてきてるけど、今はそれを披露できるのが幸せって事か。
でも、そんな由梨と麻友が可愛いと思うし、親父もそう思ってるんだろう。
「お兄ちゃんにもして欲しいです」
「麻友はケーキでデコレーションして欲しいな!」
「ああ、機会があればな」