人妻のひ・み・つ 48
当然、多くのファンの方々が来るだろう。
その中には、私のあの痴態を見ていた人も、間違いなくいるだろう。
その人たちは、私のことをどう思ってるんだろう…?
今回、新作DVDを予約してくれたファンの方には、私が手渡しすることになっている。
何と声をかけられるだろう?
…そして、このイベントにはもうひとつ、重要な特典があった。
『イベント整理券は抽選券になっています。イベントの最後に抽選を行い、呼ばれた番号の方が当選です』
…その特典とは、別室で私と二人きりになれる、というものだった。
…二人きり。
無作為の抽選で選ばれるのだから、誰が当選するかなんてわからない。
もしかしたら、私のあの痴態を見た人かもしれない…
そういう人と二人きりになったら、私はいったい何をされてしまうのだろう…?
不安だった。
でも、その反面、それを期待している自分もいた…
―イベントが始まる。
私は水色のビキニでステージに上がる。
DVDのパッケージを持ってポーズをとる。
「舞ちゃん最高!」
「もっとおっぱい寄せて!」
ファンの皆は、いつも通りだった。
カメラのフラッシュが眩しい。
…あんなことがあった後だったけど、ファンのみんなの反応は意外なほど優しかった。
あの動画を見た人がいなかったのか?
そういうことを考えたくはないんだけど、いつもの光景でいられたのは、すごく嬉しかった。
いつの間にか、私は不安を忘れていた。
その中で、『二人きり』の時間を迎えることになる…
『当選者は17番の方です!』
少し遠くで、顔をよく見ることは出来なかった。
そのまま私はいったん控え室に移動する。
格好は水着のままだ。
控え室で待っていると、ドアをノックする音がした。
「はい、どうぞ」
ドアが開く。
「…失礼します」
私より1,2歳年下の男の子だった。
「おめでとうございます!初めまして〜」
私は彼に駆け寄って、握手する。
「あ、ありがとうございます…」
照れる彼。
その顔は男の子だけど、可愛らしい。
それもそうだろう、好きなグラビアアイドルが、目の前で水着姿でいるんだもの。
スタッフの方々が引き上げ、部屋の中は私と、彼の二人きりになった。