PiPi's World 投稿小説

人妻のひ・み・つ
官能リレー小説 - 若奥さん

の最初へ
 41
 43
の最後へ

人妻のひ・み・つ 43


家に帰る。
ダーリンはまだ帰っていなかった。

携帯を見る。
ダーリンからメールが来ていたことに気づいた。

『新曲のMVの撮影を海外でやることになって、明日には日本を発つことになった。急で申し訳ないけど、母さんともども身体に気をつけてね』

…正直ホッとした。
ダーリンは今回のことについて、何も知らないみたいだ。
…ただ、それがいつ彼の元に伝えられるかはわからない。
それはすごく不安だ。


問題は…いや、考えるのはやめておこう…
むしろ、私のほうから身を引こうと考えた。

しかし―
大学も、事務所からも、言われたことは同じだった。

『今回の出来事はなんとしても揉み消すから、思い止まって欲しい』

…そんなことできるのか。
大学はともかく、私の所属事務所はダーリンのところとは違い大手とはいえないのに。
その言葉を聞いても、不安は募るばかりだった。

…そして、その日から、私は、周りの目が怖くなった。
大学の中、仕事場、家との間を行き来する電車やタクシーの中…
私の痴態を見た不特定多数の男が、どこにいるかわからない。
外出するたび、好奇の目に晒されているかもしれない…
そう思うと、いっそ家の中に引きこもったほうが楽とさえ感じてしまう。

―そんな中、私は気になっていたあるものをネットで手に入れた。
その中身はDVD…

『大人気グラビアアイドル AVデビュー あまねみつき』

パッケージを見て、いまだに信じられなかった。
間違いなく、私の大親友である雨音蜜樹だった。

彼女はあの時の快感が忘れられなかったのだ…アイドルとしての地位も、愛する夫も捨て、肉欲の世界へと堕ちたのだ。
まだ、AVと言えど会社として成立している所なら良い。後で調べてわかったが…これは完全なアングラ作品。あの店の人間と同種の。
この事実に私は震えた。

もしあの時、あの彼が逮捕されること無かったら、私も同様に堕ちて蜜樹と同じ道を歩んでいたのだろうか。
…彼の誇らしげなあのものに溺れ、虜になり…
「…蜜樹、どうして…」
頬を涙が伝った。

「…蜜樹が出てるアレ、来たんだ」
部屋に入ってきたのは草薙彩子。
私の親友、そして同じようにグラビアアイドルとして活躍し、そして、私と同じように人妻である。
私の身を案じて、あれ以来頻繁に家に来ている。

「うん…」
「なんか、いまだに信じられないよね…」
私は、蜜樹が出ているそのDVDをパソコンにセットし、再生した―

SNSでこの小説を紹介

若奥さんの他のリレー小説

こちらから小説を探す