幼通い妻 1
「一馬さん、お帰りなさい」
アパートの門の前で、律義に佇む少女。
今日も俺が大学から帰ってくるのを待っててくれたのだ。
「ありがとう、恵梨ちゃん。いつもすまないな」
「いいえ、私の楽しみなんですっ」
村上恵梨ちゃん、12歳。小学6年生。
俺より7歳も年下なのによくできた子で、毎日こうして帰りを待ってくれている。
「お腹すきましたよね、私ご飯作りますっ」
「いつも悪いね…」
「そんな顔しないでください、私お料理大好きなんで」
夕方、もうすぐ日が暮れそうだ。
アパートの2階の部屋に恵梨ちゃんを招き入れる。
俺は高梨一馬…この春から大学生。そして一人暮らしを始めた。
近所に住んでる恵梨ちゃんと知り合ったのは大学入学して2か月くらいたったある日、確か雨の日だったな。
お母さんが急な仕事で出て行って、カギのかかった家に入れなかった恵梨ちゃんを雨宿りに、って言って誘ったんだ。
お母さんは仕事で忙しいみたいで、お父さんは……聞いてもあまり話したがらない。
離婚でもしたのだろう。俺も母さんの離婚を一度経験してるから気持ちはなんとなくわかる。
「よっし」
ランドセルを置いて台所に立つ恵梨ちゃん。
そう、ランドセル、最高学年とはいえ小学生なのに。
恵梨ちゃんのシャツ、胸の膨らみが波打つ。
小学生とは思えないくらい、そこはスクスク成長してるようだ。
「今日は何を作ってくれるの?」
「カレーライス!」
「おぉ、期待していいのかな?」
「うん!任せて!!」
トントンと手際よく包丁で野菜を切る音。
危なっかしい感じは全くしない。これまでも何度も手料理を作ってもらったけど、どれも美味しかった。
お母さんは仕事で忙しいから、ほとんど普段から自分で作ってるんだろう。
後姿は新妻って感じがする。
成長が早いな、お尻のあたりもむちっとした肉感があって、後ろから抱きしめたくなる。
それは当然なる男の欲求だろうとは思うのだけど、恵梨ちゃんの歳を考えるとそれを抑えるしか無い…
せめて恵梨ちゃんがあと三年早く生まれてきてくれたならそれも叶うかもしれないのだろうけど…流石に小学生を抱く訳にはいかないもんな;…
一馬はそうやって自分を言い聞かせ、あえて恵梨ちゃんから視線を外す…