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空の色は変わった
官能リレー小説 - SF

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空の色は変わった 1

夏の屋外プール練習では、昼の強い日差しが部員達の肌を容赦なく焼く。
部員達の健康を考慮して、日差しがキツい日中はプールから上がって休憩することになっていた。
黒のきわどい競パン一丁で木陰に座り込む陽太の股間は蒸れて汗ばみ始めていた。
「あちぃーっ!」
思わず声が出る。
隣りにいた佳央も同意した。
「本当だな」
佳央の鍛えられた肉体にも汗が滲んでいる。
「暑いというか…変な天気だよな?」
陽太の言葉通り、この日の空模様はおかしかった。
朝からそれなりに暑かったのだが、今は更に気温が上昇している。
それだけならまだしも、空には鮮やかな緑色をした雲が点在していたのだ。
「あれってさぁ…何なんだろね? 雲なのかな?」
「雲にしては不自然だよな…」
二人はその緑色の雲について話しながら、同時に何かしら嫌なものを感じていた。それはまるで、これから何かが起こる前兆のような…。
そんな二人の様子を眺めていた部長が口を開いた。
「お前達、少し休んだらまた泳ぐぞ!そろそろ基礎体力作りの練習をするからな!」
『はい!』
二人は元気良く返事をして立ち上がった。そして部長と共にプールサイドまで行くと、そこで準備運動を始める。
柔軟体操をしながら、ふと陽太は思った。
(そういえば今日はやけに静かじゃないか?)
いつもなら騒いでいるはずの男子部員達
の姿がないのだ。
不思議に思い辺りを見回してみる。
するとプールサイドの隅っこで、部員達が何やら深刻そうに話し込んでいた。
(何だあいつら?)
練習にも参加せず何を話しているのだろう?部長も何故注意しないのか…。
「あの、部長?あそこにいる部員達は練習にも参加せず何を話し合ってるのですか?」
気になった陽太は、柔軟体操しながら部長に質問してみた。
「ん?ああ、あいつらは練習は免除されてるんだよ」
「え!」
思わず動きが止まる。
そんな陽太の様子を横目で見ながら、部長はさらに続けた。
「あいつらは今、特別メニューをこなしている最中だ」
(特別メニュー…?)
一体どんな内容なのか……それは分からないが、何やら嫌な予感がする。
だからなのか、何となく部員達から視線を逸らすことが出来ない。ふと空を覆う緑色の雲に再び視線を移したその時だった。
ゴロゴロ…ドオォオオオンッ!
凄まじい雷鳴が轟いた。
「うおっ!?」
突然の出来事に驚いて、思わず声を上げる。だがそれは陽太だけではなかったようだ。他の部員達も一斉に空を見上げている。

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