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未来の占術は嘘をつく
官能リレー小説 - SF

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未来の占術は嘘をつく 1

大昔のSF漫画にでも描かれていそうな、どこかで見たような陳腐なデザインのロボットがこちらに銃口を向けていた。
〈PJM計画団体〉の作ったものだろうか?
いや…それにしては随分と旧式だ。そもそも、こんなところで戦闘用ロボなど見かけるはずがないのだ。
そう思った瞬間、ロボの腕から銃弾が放たれた。
「やばいっ!」
慌てて身を伏せる。頭上を掠めるようにして弾丸が通過していった。
警告抜きの攻撃行動。明らかに敵として認識している証拠である。
「くそっ! なんなんだ?」
わけも分からぬままに、再び銃撃される前にその場を離れる。
だが、どこへ行けばいいのか分からない。
闇雲に逃げてもいずれ追いつかれるだろうし、この狭い空間では逃げ場もない。
とりあえずは隠れられる場所を探して走るしかなかった。
しかし、すぐに壁に行き当たってしまう。行き止まりかと絶望したその時、壁に四角い切れ目が入っていることに気がついた。
まるで隠し扉のようにその部分がスライドしていく。中は真っ暗だった。
「これは…」
一瞬ためらったが、迷っている暇はない。思い切って中に飛び込んだ。
その直後、背後の壁が再び閉まる。
そして暗闇の中、床に何かが落ちていることに気づいた。それは懐中電灯のような形状をしているが、スイッチらしきものは見当たらない。
「もしかして…これか?」
試しに指先を小さな穴に差し込んでみると、先端に付いていたバネみたいな物が電球みたいに点灯した。構造はおかしいが、どうやら本当に懐中電灯であるらしい。
「助かった…」
ホッと胸を撫で下ろす。これで先に進むことができそうだ。
それにしてもここは何のための場所だろうか?

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