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虚ろなる主
官能リレー小説 - SF

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虚ろなる主 1

「本来この階層はモンスターが出る場所ではないんだ。これまで我々などの多くの探索者がこのフロアの隅々まで調べつくしてきた。当然モンスターについても調査済みだ。その多くを排除したり確保したり、モンスターが出現するエリアの封鎖も行ってきた。
…だが、今回の探索ではすでに複数体のモンスターらしき実体を確認した。明らかに何らかの異変が起こっているんだ。だからここから脱出するまで気を抜かないでくれ」
「…はい」
 イマイさんは真剣な顔で話してくれた。異変が起こっている、どのような異変なのかはわからないがかなり深刻のようだ。
俺は今まで以上に周りを警戒して歩くことにした。すると通路の奥から何か物音が聞こえてきた。音は少しずつこちらに近づいてくるようだった。
(…!)
俺とイマイさんはすぐに武器を構え戦闘態勢に入った。俺の武器はファンタジーなデザインの剣、そしてイマイさんの武器はシンプルな槍だ。
やがて曲がり角の向こうから何か大きなものが姿を現した。
俺も男としてはそこそこ大柄だが、相手はそれ以上に上背がある。
二足歩行して、形は人間に似ているが…
「でかっ!何がとは言わないけどでかっ!」
「ほう、珍しいな…オーグリスか。それにしてもでかいな。何がとは言わないが」
俺たちの前に現れたのは、オーグリス、つまりオーガの牝だ。
イマイさんも驚いている。目の前のオーグリスは体格も大きいが、胸もそれに見合って大きい。
具体的に言うならGカップくらいはあるだろう。
「グオォ…」
オーグリスが俺を見て低い声で鳴いた。そして次の瞬間にはものすごい速さで飛びかかってきた。
「うわぁ!?」
慌てて横に転がり攻撃をかわす。攻撃を避けられたオーグリスは勢い余って壁にぶつかった。壁が大きく凹む。とんでもない威力だ。
「危なかった…」
「油断するな、オーグリスとて頑丈さはオーガ同様だぞ!」
オーグリスは今の激突でも大したダメージを受けなかったみたいだ。
イマイさんはすらっとした体からは想像できないほど、鋭い槍の一撃を繰り出す。
「ガウウ!」
かなりの力技で、オーグリスがイマイさんの刺突を斧で弾く。
モデル体型の美人のイマイさんが、長いポニーテールを揺らしながら、何度も槍を繰り出して、オーグリスを攻め立てる。
でもオーグリスは斧でそれを受け止め、捌き、なかなか付け入らせない。
俺もいつまでも見ていられない。隙を見て横からオーグリスを斬りつける。
「ぐあっ…」
斧で剣を防がれた。強烈な返しで腕が痺れるが、なんとか剣を握りしめて持ちこたえる。

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