甦りたいなら身体を捧げて 2
「まあ、生きたいって言う気持ちが強ければどんな苦行も軽く感じられるさ」
そう言いながら俺は服を一枚脱いだ。
目の前の彼女―未央―の表情は硬い。可愛いんだからもっと笑った顔が見たいが今はそんな気分にはなれんわな。
「私、何をすればいいでしょう」
「ああ、特に深く考えなくていい。俺にすべてを任せてくれ」
「はい…」
もう一枚脱いだところで彼女の隣に移る。
どことなく不安そうな表情。まさか、この子は処女、とかじゃないよな…
そっと彼女の両肩に手を置くと、小さな身体が強張り、小刻みに震える。
「緊張しなくていい」
「でも…」
「未央ちゃんは―セックス、したことあるか?」
「せ、セッ―」
そこで言葉が止まる。
青白い顔で、不安そうな表情で俺の顔を覗き込む。
軽い気持ちで言ったつもりだが、マジなのか。
そんな悲壮感漂うような、今にも食われそうな小動物みたいな顔をしないでくれ。
そんな顔を見たら、俺まで不安になる。
「な、ない、です…」
「そうか…」
この子は競馬の騎手だったよな。
動物と触れ合う機会の多い子はそういうのを覚えるのが早いと聞いたことがあるけど、この子はそうじゃないんだな…
「本当に、セッ…クスをしないと…いけないん、ですか?」
「信じられないかもしれないけど、本当なんだ」
未央ちゃんの可愛さ目当てに、事情を悪用しているわけではないと信じてもらえないと、未央ちゃんも不幸だし俺も嫌だ。
「ごめん。月並みな言葉だけど、とにかく俺を信じてくれ」
「…わかりました。優しくして…、くださいね」
未央ちゃんは幸い、一応納得してくれたようだ。
未央ちゃんも初めてのセックスに対する不安があるはずだ。それは表情を見ていてもわかる。
しかしそれ以上に、生きたいという思いを感じた。
だったら俺もその思いに応えてやらなくては。
「あっ」
「ごめん、脱がそうと思って…」
「えっ、あっ、自分で、脱げます、けどっ」
ここまで初な子は初めて相手するな。俺も緊張してきた…