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女子校生解体新書
官能リレー小説 - SF

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女子校生解体新書 6

パネルのキーを操作すると、キャビネットがプシューっと音を立て開き始めた。そして中を覗き込む蔵元。
中に入っていたのは、里美くらいの少女の生首と、そしてその生殖器が収められたケースだった。勿論ちゃんと生きている。
「被験体No FSR-201664、組織の成長速度は一定、バイタルも良好」
彼女も、里美と同じく、白崎女子学園の女学生だった。そして10年前のある日、蔵元の前任者主導により拉致され、このような惨めな姿にされたのだ。にもかかわらず、今の里美と同じようにうっとりした表情で眠り続けている。
解体されてから10年以上たっているにも拘らず、今だ10代の少女の面影を保っている。それはこのTA製薬が開発した極秘の新薬により代謝速度を極限まで抑えられていたからだった。概算ではあと60年近くは少女の顔を保っていられるだろう。
しかし、彼女の更に前の二名にも同じ薬が投与されているのだが、まだ未完成であったため、成長の促進を抑えるのが不十分だった。そのため一番古い1996年に解体された少女については、すでに30代の顔つきになってしまっている。それでももともと美少女を選定していたため、その顔は成長しても美しいものだ、と蔵元は考えている。
蔵元は4つ目のキャビネットを空けると、里美の生首と生殖器のケースを中に収めた。
「喜びたまえ、君は長く可愛らしい顔で居られるんだからな」
そう言って笑うと、扉を閉める。穏やかに眠ったままの里美の顔が、鉄の棺の中へと消えていった。
扉が完全に閉まるのを確認すると、蔵元はキーを操作し、LCDに「2026年6月12日」と表示させた。
そして台車の上に残ったパーツを保管するために、その場を離れた。

「えー、誠に深刻なお話をせねばなりません」
白崎女学園の講堂にて、生徒たちの前に立つ理事長。
「今週火曜日、本学の生徒である1年C組の工藤 里美さんが下校中に行方不明となりました。現在市や警察の協力の下全力で捜索に当たっており、一刻も早い無事の確認が望まれます、当学院の皆様は登下校時においては十分注意し、友人どうして無事を確認しながら常に行動するよう心がけてください」
その理事長自身は里美がもう見つかることが無いことを知っている。そして来春推薦でTA製薬へと入社することになる学生についても、決定済みだった。
(里美さん、貴方一人の犠牲のお陰で来年は10人の優秀な生徒が活躍できるわ、本当に有難う)
壇上を降りる際、微かに微笑む。幸い他の者には見られなかった。



『ねえ、知ってる?うちの学院と近くのTA製薬との密約』
『何々?教えて!』
『うちの学院から毎年何人かTA製薬行く人って居るでしょう?あれって全部コネ入社だってね〜』
『まあ、そうなんだろうね』
『で、その見返りとして、女学生一人を実験材料として差し出すという密約があるって噂なんだってさ!』
『えー!?こわーい、その子はどうなっちゃうの?』
『バラバラにされて、生首だけ生きたままの状態で研究所の地下にずーっと保管されるんだってさ!』
『こわーい!!』


-完-


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