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ある新米領主の奮闘記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ある新米領主の奮闘記 1

「被告人カール、マーティン、ロブ、強盗の罪で強制労働20年」
「そんな!お慈悲を!」
「反省します!許してくだせぇ!」
「やかましい!来い!」

俺が刑罰を言い渡すと、後ろ手に縛られた男達が怯え騒ぐ。
すぐに衛兵が彼らを連れ出していく。

ふう、疲れる。領主がこんなに忙しいとは思わなかった。
思えば、150年に一度といわれる魔物の大群の襲来を阻止した功績で、俺、ブライアンはブリエル王国で領主に取り立てられた。
開拓がしたかった俺は、魔物が多く、樹海に覆われ手つかずになっていた東部を所領に望んだ。
ブリエル王国の東は樹海に覆われ、人間の土地とは言えない。
魔物の巣窟で、ここから王国のあちこちに魔物が出てきてあちこちに被害を与えている。
そんな東の土地を望んだ俺を、誰もが意外だとか変わり者だとか思ったが、開拓して脅威を遠ざけたいと俺が強く望んだ結果、国王陛下は俺を領主に封じてくださった。
さっそく志願者を集め、魔物から世の中を守る砦の一つだったアンドレアス砦を拠点に、街づくりを始めた。
だが、志願者といえば聞こえはいいが、家の後を継げない農家の三男四男などはまだいいとして、粗暴な奴や食いつめ者など、問題のある奴も多く流れてきた。
まだ統治のための役人の数も足りないから、逮捕した罪人に俺が裁きを下す毎日だ。
あと何件か裁かないといけない。

「次の犯人を」

俺の指示で、次は一人の女が連れてこられた。
横から差し出された紙には、彼女の罪状が書かれていた。

「被告人セルティ、容疑は空き巣1件か…」
「お許しください!どうしても食べるものがなくて……」

貧しくて食うに困って盗みを働いたのは、書類を見る限り本当のようだ。
俺はできるだけ厳かな声を作って言い渡す。

「被告人セルティ、更生房へ入れ」
「は、はい!」

更生房と聞いて、セルティはほっとしたようだ。
さっきと同じように、彼女も衛兵に連れ出された。

この後も何人かの罪人を裁いて、強制労働刑にしたり矯正の見込みが無い者は斬首にしたりした。
人を裁くってのは、気が重いもんだぜ。
いくら強制労働で開拓の労力にするっていっても、監督する者が必要だし、彼らを寝泊まりさせる牢屋だって罪人が増えれば建て増ししなけりゃならない。
片っ端から斬首してたら治安はよくなるが、労働力として使えないし、死人も増えて俺の開拓領地の評判も落ちかねない。
いずれは裁判官を置くにしても、まだ役人だって足りてない。

そこで俺は、男と女で処罰の仕方を変えることにした。
微罪の女は、更生房と名付けた牢屋に入れるが、そこで労役として飯炊きなどをさせる。長くても数ヶ月で釈放だ。
もう少し罪の重い女は、同じく更生房で働かせるが、労役の中に性的な事も含めた。こちらは更生すれば長くても五年程度で釈放する。
女には死刑は適用しないことにした。誰かに死刑を下すこと自体、俺の気が重いからだ。



一日の仕事を終えた俺は、更生房にやってきた。
監督官に様子を尋ねる。

「女たちの様子はどうだ?」
「飯炊きに織物など、労役はおおむね順調です」
「確か……十日前に投獄した、シャクティって女がいたな」
「あの女狐ですな。今のところ大人しく働いています」
「第三宿泊室へ行く。シャクティを連れて来い」
「かしこまりました」

監督官に命じ、俺も第三宿泊室へ入る。
内装はシンプルだが、ダブルベッドが置いてある。
併設した浴室で湯あみをして待っていると、彼女が連行されてきた。
粗末な囚人服を着ているが、スタイルの良さは隠せていない。どこかおどおどとした様子で尋ねてくる。

「いよいよ…この日?」
「そういうことだ。まず湯あみをしたまえ」

俺は浴室を指し示す。体を洗わせて、彼女が出てきた。

「よくなったじゃないか」
「そ、そうですか……」

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