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Editor king
官能リレー小説 - ファンタジー系

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Editor king 16

それでも、州の境の関所では葛浦伴継の名を告げ、通行許可証の書状を見せると役人たちは、緊張した顔つきになった。
主君の特命につき関所を二人は通過することを、ましらの重蔵が告げたあとで、
「他言無用」
と釘を刺すとその場にいた役人たちが全員で、ましらの重蔵に頭を下げた。
「ふむ、やはりおぬしのほうが威厳があるようだ」
「おたわむれを」
ましらの重蔵は、体つきも葛浦伴継よりも大きく逞しい。
それだけではない、ただ体が大きいだけではなく美しく引き締まっているのだ。まるで猛獣かなにかのような迫力や荘厳さがある。
葛浦伴継はその姿に色々と思うところはあった。
「休めそうな所を見つけたら、風呂にでも誘ってみるか…」
関所から少し行くと簡易的な宿が見えてきた。関所の役人のためにとりあえずは必要な設備を揃えたようなものらしく、規模も小さかった。
「あそこがいいな」
葛浦伴継は大して疲れているわけではなかったが、そこで休むことを提案した。
少し早すぎる休憩にましらの重蔵は体調の心配をする。しかし、葛浦伴継が何度も大丈夫だと言い張るのでとりあえずは納得をした。
簡易宿は狭くはあったが、汚くはない。役人が寝泊まりするための施設なだけあって騒がしくもなかった。
「これならゆっくり休めそうだ」
葛浦伴継は座り込み汚れた着物を脱いだ。
外はまだまだ明るい。ましらの重蔵は外を確認して、それから宿も見た。
何人かが既に泊まっている気配はあったが、姿までは見えなかった。

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