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エルフイーター
官能リレー小説 - ファンタジー系

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エルフイーター 7

獲物を横取りされたようなものだった。
酒場女はこの中年男に借金がある。
勝ったら金を半分は巻き上げられるだろう。
「受けてやれよ、いつもどうりに、な」
「わかったわよ、やればいいんでしょ!」
酒場女がいらいらした気持ちを隠しきれず、思わず大きな声で言う。
「よかったな、お嬢ちゃん」
「ついてきな、ただし、負けたら覚悟するんだね」
少女がうなずいて、席を立った。
少年がついて行こうとすると中年男に止められた。
「おい、金を出すんじゃなかったらついてくるな」
「でも……」
「お嬢ちゃんが負けたら、俺にやられて酒場で働くことになるからな。ただで見せるわけにはいかねぇな」
「そんな……」
三人の後ろ姿を少年がうろたえたまま見つめていた。
酒場の酔っぱらいがぽつりとかわいそうに、とつぶやいた。
酒場で働く女たちは、金かしに金を借りて、返済のために客をとる。金を借りる事情はそれぞれだが、女がやるのに慣れれるまで、金かしに弄ばれる。
酒場を出て、宿屋へむかう。
部屋に入ると少女が眉をしかめた。
まだ少年がやったあとの子種汁の匂いがする気がする。
「俺が勝負を見ててやる。証人が必要だからな」
ベットに腰を下ろした金かしがにやにや笑いながら言った。
「で、勝負は、なんだ、カードか?」
「コイン。カードはだめ。あなたがのぞいて、手札をあの人にこっそり教えるかもしれないから」
少女がテーブルの前に置かれた窓際の椅子にすわって答える。
酒場女は扉の側の椅子に座った。
カードをテーブルの真ん中に重ねて、おたがい三枚を引いて、一番大きな数字のカードを同時に出し合う。
「そうかい、使うコインは俺の銀貨。二人とも確認してくれ」
金かしの男がテーブルの上に銀貨を投げた。
二人はコインを手に取ってうなずいた。
金かし男が立ち上がり、ルールを説明する。
それぞれが順番でコイントスをする。
どちらが先か後かは話し合って決めても、試しに一度、表か裏か当てる方法、どちらでもいい。
予想はコイントスの直前に宣言する。
当たったほうに賭けた金は回収される。
相手と同額の賭け金を勝負一回ごとに用意しなければならないが、できない場合は、金かしに金を借りる。
必ず十回連続で勝負する。
どちらも当たった場合、外れた場合は、次の勝負に賭け金は持ち越される。十回とも二人で同じ予想をすることは禁止。
必ず三回は違う予想をしないといけない。
つまり七回はひきわけにできる。

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