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異世界で奇妙な国の貴族になった件
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異世界で奇妙な国の貴族になった件 4

「何か意図があるんだ…」
あえて話しかけず、横目でハーヴィーの動きを見る。
何かをこっそり伝えたいのかもしれない。こちらから話しかけたらそれが台無しになってしまう。
ハーヴィーは前を向いたままゆっくりと手だけを動かして、触れてきた。
ヤルイは自分の中にある記憶を手繰る。
ハーヴィーが何故このような愚行を行っているのか。
同性愛が原則禁止のこの国で男同士であるハーヴィーと肉体関係を持った記憶は、ヤルイの記憶の内には思い当たらかった。
では何故、ハーヴィーは自分の隣で股間を出しているのか。
ヤルイはもっと身近な記憶を思い出す。
(ダメだ。全く心当たりがない)
すると、一人の少女(ヤルイに顔立ちが似ている)が小走りになって近づいてきた。
「ごめん、ちょっと遅くなっちゃった〜」
その少女は、ハーヴィーと同じく士族の友達シノンだ。ハーヴィーとは彼氏彼女の仲でもある。
そして、今のシノンの服装は、ヤルイが今着ている私服と似ていた。
「え?シノンが今来たってことは…」
ハーヴィーはギギギという音が聞こえそうに首を動かし、ヤルイの顔をガン見する。
「わあ!!本物のヤルイだ」
 ばっと手を離すと、ベンチから飛び上がった。
(なるほどね。大体わかったよ)
どうやら、ハーヴィーは衛兵の、シノンは「ボーイッシュな貴族令嬢」の格好をしてこのベンチでセックスする予定だったようだ。その事を知らずベンチに腰かけたヤルイは、「先に来たシノンが座って待っている」とハーヴィーから誤認された。
(まあ、ハーヴィーが間違えるのも仕方ないけどね)
ヤルイとシノンの顔立ちはよく似ており、これで服装も似せればハーヴィーといえども見分けがつきにくいだろう。
ヤルイはあわてふためくハーヴィーの顔を見ているとある考えが浮かんだ。
ハーヴィーは慌ててズボンを上げようとする。それをヤルイが制止する。
「下手したらこちらが罰を受けるかも知れなかったんだ。だから今から少しの間付き合ってくれよ」
「うう…わかったよ」

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