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冒険の旅へ
官能リレー小説 - ファンタジー系

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冒険の旅へ 2


「出おったか!」
「きゃあ!」

ソーニャの親父さん…パウルスさんを先頭に歩いていた俺達の前にモンスターが現れた。
軽い悲鳴を上げたのはナリアだ。
俺もパウルスさんもソーニャも武器を構えた。

「ダズルオックスか」

特徴的な白黒の迷彩柄をした大牛のモンスターだ。
普通の牛と違い雑食なので油断ならない。

「ソーニャと坊主はヤツの気を散らせ!
 嬢ちゃん俺に力の加護を!」

パウルスさんが的確に指示を出す。

「剣か…あれでも剣術なんてやった事あったけ…?」

ふと、自分が今初めて剣を握った気がした。
だがそんな事を考えられたのもつかの間、ダズルオックス突っ込んできた。

「ラウル来るよ!」
「おっと!危ねーっ!」

ギリギリの所で回避すると、そのついでにダズルオックスの背中に一撃を入れる。
まるで染み付いた動作のように無駄なく身体が動いた。

「ズモ゛ォォォォ!!」

ダズルオックスが怒りの声を上げ俺に集中する。
それを利用してどんどん牛を遠ざけていく。
だが、それが良くなかったらしい。残りの三人による追撃は来ることはなかった。
ミノタウロスの群れが彼等に投石をして妨害を加えてきたからだ。
「あの牛は連携を崩すためだったかのかよ…」
腰布と褌だけを身につけた集団はなにやら胸に怪しげな魔方陣みたいな物を描いている。
俺はなんとなくそれが不気味に見えた。
しかし、追ってくる牛に妨害されて三人を援護できない。
そうこうしているうちに三人の姿が見えなくなった。
追ってきていた牛も折れた角や表皮の破片を残して消えていた。もしかしたら魔法で一時的に作られた物だったのかもしれない。

彼等が居た辺りの地面は踏み荒らされ、牛の顔を模したマスクが数個落ちていた。
「山賊が化けていたのか…?俺には本物に見えたが…?」
どちらにしろまずい。とりあえず足跡を追うことにしたが牛に撹乱されたせいで大幅に時間のロスをしてしまっていた。
急ぎ引き返すと前方からソーニャとパウルスさんが現れる。
「ソーニャ!おやっさん!」
「おお!無事だったか坊主!」
二人共傷もなく元気でいた。
「あれ、二人だけなんですか?ナリアは?」
ふっとナリアが居ない事に気が付き二人に尋ねる。
「すまん、はぐれてしまった」
「あいつら、私とナリアを親父から引き離そうと集中攻撃してきたんだ。私は何とか出来たけどナリアは…」
「あいつら最初から女を狙って襲ってたって事かよ」
何と言う事だ。
俺の女がこんなにもあっさり奪われてしまうなんて。
肉体関係があったとは言え、それは記憶の中での話し。
実際に抱く前に誰かに奪われてしまうとは何たる不覚、しらないオスに汚される前に何としても取り戻さなくては。
「おやっさん急いで追いましょう!奴らがどっちに行ったか分かりますか」
「痕跡はそこら中にあるから、それを辿れば居場所は分かるはずだ。だがかなりの人数の敵が待ち構えている事になるぞ、いいのか」

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