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樹海の怪人ハデス
官能リレー小説 - ファンタジー系

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樹海の怪人ハデス 2

「そうですね、あとお食事の用意ができましたら……御主人様を優しく起こしてあげて下さいませんか。館の衣装室にご案内いたします」
メイドに奈緒美はついて行くしかなかった。
裸で外に逃げ出して保護されたら恥ずかしいと思ってしまった。
(でも、あの目玉は何だったのかしら。特殊メイクとかの小道具かしら)
「それはですね、御主人様は寝起きは機嫌悪くて、何をされるかわからないからなんです。でも、お客様ならそれはないかと……」
「メイドさんも大変なんですね」
廊下の突き当たりに階段があり、青年が寝ている寝室や悪趣味な目玉の部屋は地下だったことがわかった。窓がない理由がわかった。
「くれぐれも館の庭園から外には出ないで下さい。大変危険です。お客様に何かあれはお仕置きされますから」
奈緒美が逃亡する気なのを見越したように衣装室でメイドが目を細めて言った。
衣装室には胸元が開いたドレスなパーティドレスが並んでいる。
普通のカジュアルな服が一着もない。
「その服と同じ服はどこ?」
「これですか。お客様用ではございませんが」
「怒られるかしら」
「今までメイドの服装をなさりたいとおっしゃる方はいらっしゃらなかったので。失礼します」
メイドはそういうと体を軽くさわってきた。ぞくっと、くすぐったいような快感が走った。
「用意できそうです。どうかなさいましたか」
「いえ、な、なんでもないわ……」
サイズを確認したのだとわかったが、女の子にさわられて気持ち良かったなんて奈緒美は動揺が止まらない。
逃げそびれてしまった。
「食事の用意ができたって……」
「私はまだ眠いのだ……」
「起きないならくすぐるよ」
「君だったのか。起きる」
起き上がった青年は全裸。奈緒美は背中を向けると青年は背中から抱きしめられた。
(こ、このぐらい、結婚してるんだから。落ち着け私、取り乱したらダメ……)
「御主人様、お客様が硬直してますが」
「ペルセフォネ、いつからそこに……」
青年が奈緒美から離れる。
「裸でお食事なさいますか、御主人様」
「服を着て食堂に行く。彼女を案内してくれ」
「はい。行きましょうか、お客様」
奈緒美はメイドと部屋を出るとき、一瞬だがくすっと微笑するのを見た。
豪華な館の主人である美青年ハデスとメイド姿の美しい乙女ペルセフォネ。そして目玉を集めた部屋。寝室に漂う芳香。
「その服でいいのかね?」
「私の服はどこにあるの」
「さあ、それは私にもわからない。館に来る途中で何処かに消えてしまったからね」
館の食事はレストランのコースのようなメニューでとても美味しい。
「ワインは、赤か白、どちらがお好みですか?」
「私、あまりお酒は強くないので」
ペルセフォネに聞かれて奈緒美は答えた。

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