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異世界のリョナラー
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異世界のリョナラー 42

僕はそのまま水晶から引き摺り出すと僕好みのいい悲鳴を奏でながら出てきた
「早速、たまった性欲を処理してもらうよ♪」


しかし次の瞬間、美しい女の身体は見る間に干乾びてミイラのようになり、そして砂と化して風に乗って飛んでいった。
「なるほど・・・あの青い水晶が肉体を保つ役割を果たしていたという訳か」
壊れた天井から空へと舞い上がって散って行く砂を見上げながら僕はつぶやいた。
「あぁ・・・皇太后殿下が・・・」
幼女の声がしたので振り向いてみると、股から血を流した半裸の幼女が壁に掴まりながら覚束無い足取りでヨタヨタとこちらへ向かって歩いてくる。
アヴィだ。
「あれを仕組んだのはお前か?」
「そうだ。生前、優れた魔術師であらせられた皇太后殿下は、死後も自らの肉体と魂をあの水晶を媒介にしてこの世に留め置き、未来永劫エーデルラント帝国の守護神として君臨し続ける事を望まれたのだ・・・」
「とんだ強欲女だね。人間、天命が尽きたら素直にあの世に行くのが道理っしょ」
僕達がそんな事を話していると後ろから「ぐふぅ・・・」という情け無い声が聞こえた。
振り向いてみると皇帝ライザが床に出来た血の池に突っ伏していた。
彼は隠し持っていた短剣で自らの喉を掻き切って自害したのだ。
「あれ、死んじゃったよ。最期は妙に潔いんだな」
こいつを復活させていたぶるのは流石に野暮というものだろう。
僕は玉座の側にあったカーテンを引き千切るとライザの死体の上に被せた。

「もう帝国は終わりじゃ・・・わしは去る」
アヴィは何もかも終わったとでもいうように言うと、踵を返し、来た道を戻っていった。
僕は彼女の背に向かって言った。
「おいアヴィ、お前僕と一緒に来ないか? 僕達二人が力を合わせればこの世界を支配する事だって容易いはずだ」
「誰がお前のような化け物と一緒に行くものか。ではな、縁があったらまた会おう」
「誰が化け物だ!」
腹が立ったのでアヴィを殺そうとしたら、彼女の姿がフッと消えた。

「化け物・・・そうか、僕は化け物か・・・」
アヴィの去った後、僕は自分の長い紅髪を手にとって見ながらつぶやいた。
僕はこの世界では異物・・・エイリアン・・・。
この世界には僕が帰る場所は無い・・・。
そう考えると胸がギュウッと締め付けられるような思いがした。
「くそっ…くそっ…くそおぉぉーーーっ!!!!」
僕は居ても立ってもいられなくなり、近くにあった黄金作りの玉座を両手で持ち上げると、思いっきり床に叩き落とした。

 バキイィィンッ

黄金で出来た玉座は大理石の床に落ちて粉々に砕け散り、キラキラと輝く破片が辺りに飛び散った。
「うおぉぉ〜〜っ!!!!」
僕は大広間の柱という柱を手当たり次第にへし折った。天井がガラガラと音を立てて崩れ落ちて来たが止めなかった。

ズズ〜〜ンッ

ついに天井が崩落し、ライザの死体も黄金の玉座の破片も何もかもが瓦礫の下に消えた。僕は天井に潰される前に大広間を走り出て(別に潰されても平気なのだが)、壁やら扉やら柱やら、目についた物を片っ端から破壊していった。

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