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異世界のリョナラー
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異世界のリョナラー 38

「陛下!陛下!」
その時広間に駆け込んで来た者がいた。
つぶらな碧眼にサラサラの金髪、それに似合わない暗色の宮廷魔術師の服の美少女…アヴィだ。
「陛下なりませぬ!!その悪魔を痛め付けるのは逆効果で…」
そこまで言ってアヴィは檀上で鞭打たれる僕を見た。
「貴様今すぐやめよ!!その者を打ってはならぬ!!」
クリスティアーヌを止めようとするアヴィ。が、それは逆効果だったようだ。
「突然現れて貴様とは何だ!
そもそも貴様こそ何者だ、貴様のような宮廷魔術師知らぬぞ!!
道化か何か知らんが公爵家当主たる私に指図するな!!」
そして一層強く僕を鞭打つ…次の瞬間パキンと音がして首輪が二つに割れた。
その瞬間、力が溢れ返り黒髪が真っ赤な長髪になった
「あ!」
軽く声を上げるとまわりの女たちは腰を抜かし一番近くにいたクリティアーヌは失禁し生まれたての鹿の様にぶるぶる震えていた
何が起こったのかわからなかった。
クリティアーヌの振り下ろした鞭が僕の顔めがけて振られたとたん、鞭がゆっくりと見えた。
手が先に降りてきて鞭がしなり、先端が遅れて着いてくる。
スローモーションを見ているようでいてそれで見たいところにたどり着けないようなもどかしさは感じられなかった。
その動きの遅さに恐怖感は和らぎ鞭の胴体が右目の下に触れ、肌の上を滑ると鳥の羽で撫でつけられているような感じがした。
先端が瞼の上に当たりそのまま閉じ忘れた目の上を滑ったときに予想されても感じられない痛みと恐怖が僕の中でぶつかった。
まるでそれがはじけたように僕の中で何かが弾けた様な気がした。
顔にかかる無数の赤い糸。尻もちをついて失禁しているクリティアーヌ。
呆然とこちらを見ているライザ。
僕を睨み付けて身構えているアヴィ。
徐々に薄れていく僕の痛み。

まるで時間が止まったように誰も動かない。
その場にいる全員が僕を見ていた。
僕がスッとへたり込むクリティアーヌの額に手を伸ばしてピンッと弾く。
次の瞬間クリティアーヌが縦に回転しながら吹っ飛んで行った。


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