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異世界のリョナラー
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異世界のリョナラー 37


ライザは僕に向かって思いっきり鞭を振り下ろした。
一瞬、空気を切り裂く音。
続いてピシャーッ!!と、ある種、小気味良い鞭の唸りが響き渡った。
「あぁぁぁ!!!」
遅れて僕の悲鳴も響き渡った。
「…というように、こんな事をしても大丈夫なのだ!ほうれ、このように!このようにぃ…!」
実に嬉しそうに何度も何度も執拗に鞭を振り下ろすライザ。
異世界から来た不死身の悪魔で、自国軍を大いに苦戦させ、仲間達を惨殺した憎い仇…そんな奴を好きなように鞭打てたら、そりゃさぞかし快感だろうなぁ…。
やがて観衆の間からも笑い声やはやし立てる声が上がり始めた。
僕?
僕はどうする事も出来ず、ただ打たれる度に惨めな悲鳴を上げるだけだ。
この上なく情け無い状態だが、ここ数ヶ月の監禁&拷問暮らしは情け無いという感覚すら僕から奪い取ってしまった。
不条理を不条理とも思わず、ただ受け入れるだけだ。
いや、不条理というならば僕がこの世界に来てから帝国軍に捕まるまで、この世界の住人達に与えて来た仕打ちだって不条理極まりない事だったかも知れない…。
まあ今更そんな事はどうでも良い。
今はただ間断無く襲い来る苦痛を受け止めるだけで手一杯だ。
他の事を考えている余裕なんて無い…。


「はぁ…はぁ…」
しばらくしてライザは鞭打つのを止めた。
息が上がっている。
「フッ…これほど打っても傷一つ付かないとは…全く、その身体が羨ましいよ」
ライザは床の上にうずくまった僕を見下ろしながら言った。
僕は無言でゆっくりと立ち上がるが、そこにライザは再び鞭を振り下ろした。
僕は倒れ込み、また観衆から笑い声が起こった。
ライザは僕の頭を踏みつけて皆に向かって言った。
「どうだ!?誰ぞやってみたい者はおるか!?」
ざわめき立つ観衆。
「私にやらせてください!!」
ドレスに身を包んだ一人の若い娘が名乗り出た。
僕と同い年くらいで、爽やかな薄蒼色のドレスに身を包んだ美しい娘だった。
「この化け物め、私の顔を覚えているか?」
壇上に上がって来た娘はライザから差し出された鞭を丁寧に受け取ると僕を見下ろして尋ねた。
「…お前なんか知らない」
「私だ!戦場でお前に腹を切り裂かれて“殺された”カラヴァント公爵家の令嬢クリスティアーネだ!!」
「あぁ、部下が僕に殺されるのを見て一人だけ逃げようとした隊長さんか…」
鎧を着ている時とドレスを着ている時とでは印象が異なるので判らなかったが、そう言われればそんな奴も居た。
「だ…黙れ!!この私を辱めた事、今ここで存分に後悔するが良い!!」
クリスティアーネはいかにも三下っぽいセリフを口にすると、僕に鞭を振り下ろした。
鞭があたり痛みをこらえ、力を込めて耐え続けているとピキと何かに亀裂ができる音がした

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