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異世界のリョナラー
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異世界のリョナラー 36

拷問部屋には拷問官以外に兵士などが来るようになり、いわゆるリンチを繰り返していった。
新しい武器の試しと言ってハンマーやフレイルなどで殴られたり焼き鏝を当てられたりした。
仲間を殺された恨みとして僕を拷問していた人たちも次第に死ねない僕を苦しめることに楽しみだした。
剥がれない爪をやっとこでつまみ、捲ろうとする。
金床に睾丸を乗せてハンマーを振り下ろしたり、万力に睾丸を挟んで、潰れないからと回せるだけ回して一晩放置されたりした。
酸欠以外で気を失うことはまずなかった。
気を失って痛みから逃れられない僕はまさに生き地獄だった。
気を失ったところですぐに目を覚まさせられる。
水の代わりに熱湯を被せられたり、尻の穴に柵を立てるような杭を捩じり込まれ、ハンマーで打ちこまれたり。
他にも毒や魔法の実験もされた。
死ねない。逃げられない。眠れない。
いつまでこの苦しみは続くんだ。
ある日僕は頑丈な檻に入れられ地上に出された。
何日ぶりの太陽の光だろう。もう、時間間隔はなくあれから何日、または何週間、何か月経ったのかわからなかった。
だが、日光の心地よさを感じる余裕はなかった。
引っ張りだされたそこは宮殿の広い中庭で、そこには上品な服を着飾った貴族と思われる人たちであふれていたからだ。
僕はこれから見世物とされることを理解した。
会話の端々で近隣国の領主達が多いことが聞き取れた。
催し物と自分の力のアピールに僕を使うのか。
地下での拷問に加えて貴族達の狂った要望を僕の体でその洗礼を受けた。

僕はお立ち台のような壇の上に引き上げられた。
台の上から見渡すと、美しく着飾った数十名の貴族の紳士淑女達(と言っても八割方が淑女だが)がワイングラス片手に興味津々でこっちを見ていた。
所々に豪華な料理が並べられたテーブルが置かれている。
なるほど、僕は立食パーティの余興という訳か…。

皇帝ライザが壇上に登って来た。
王冠を被って紅いマントを羽織った彼は、股間にボロ布を巻き付けただけのみすぼらしい姿で二人の女兵士に両脇を抱えられた僕の隣に立って言った。
「諸君!本日は非公式ながらこの私の主催したノイエンタール陥落記念祝賀パーティに良く来てくれた!ここで諸君らにちょっとした余興をお見せしよう!」
なんとノイエンタール王国は陥落したらしい。
まあ、普通に僕と軍部隊の大部分を失った彼女達に勝ち目は無いか…。
ライザは僕を指して続ける。
「…ノイエンタールが我が精鋭なるエーデルラント帝国軍に対抗すべく異世界より召喚せし不死身の戦士…一人で一個軍団を壊滅させた悪魔カズキがこれだ!!」
「まぁ!!あれが噂の…!」
「帝国一の名将と謳われたグランディス将軍を苦戦させた…!」
「見てごらんなさいな!あの獰猛そうな目つき!人間のそれじゃないわ!」
「なんと恐ろしげなことでしょう!」
たちまちざわめき立つご婦人方。
「…ご大層な紹介、恐れ入ります陛下…」
僕は嫌味っぽくライザに言ってやった。
ライザは一瞬僕の方を見てフッと笑うと、再び皆の方に目を戻して続けた。
「安心せよ!カズキの首に付いている首輪、これがある限り安全だ!例えば…」
ライザは手を後ろに差し出した。
控えていた女兵士が彼に何かを渡す。
乗馬用の鞭だった。
うわぁ…嫌な奴だよ、この皇帝陛下。

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