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異世界のリョナラー
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異世界のリョナラー 30

(もっとも僕はもっと酷いことをできる自信があるしするつもりだけど。)
「あああ、あ、あー!!」
アヴィは残ってる腕で頭を抱え悲鳴を上げた。
「説明を…望めるか?」
グランディスは痛みを堪えながら僕に解説を求めた。
「あの胎児の望みだったんだ。あの女に終わることのない苦しみをって。でも、僕面倒くさいの嫌だから、だったら自分でやりなよって言ってあの女の頭に埋め込んでやったの。まあ、どんな結果になるかわかんないけどね」
「だが、それって媒体をアヴィに返したことにならないのか?」
「別に使われても構わないし」
ぶっきらぼうに返すとグランディスは何か考え込んだ。
「カズキ殿!本陣から離れすぎては困るぞ!」
右目に黒い眼帯を付けたウルサが姿を現した。
ちなみに彼女は隊長各に任命してある。
「あ、ウルサ。よくここがわかったね」
「焼野原になっても変な力が渦巻いているところを探してみたら案の定だ。突出され過ぎて追いかける方の身にもなれ!」
「カズキと言うのか」
「何だ貴様は」
「ウルサ、と言ったな。お前には用はない」
「ほう?面白い」
そういうとウルサは鞘を掴んでいつでも柄を握れるように備えた。
「面白い話なら聞くよ?」僕の本心でもある。
グランディスは剣を鞘に納めた。側近の少年たちもそれに習う。
「先日ノイエンタール城下街へのモンスターでの襲撃を単身で撃退したという少年はお前のことか?」
「それは質問なのか?詰問なのか?」ウルサが横やりを入れる。
「質問だ」
「そうだよ」ウルサがさらに何か言おうとする前に僕はあっさりと答えた。
「何故ノイエンタールのような弱小国家に?我らがエーデルランとに来ればその力、思う存分発揮できるぞ!」
「大きいものが小さいものを潰せるのは当たり前すぎてつまらないじゃん。弱小国が強国をぶち破ったら達成感も大きいだろうね」
「詰まる詰まらないの問題なのか?」
「あんたがそいつらを侍らせる理由は?」
僕は顎をしゃくって側近を示した。
「グランディスだ」
「ぐらでぃうすね」
「グ・ラ・ン・ディ・ス!」
「そんなムキになって怒んないでよ」
グランディスはゆっくり呼吸をして落ち着きなおすと口を開いた。
「ならばカズキ。一度我らの国へ来てみないか?見てからつまらないかどうか、検討をしてみるのも良いと思うぞ?」
「それって勝てない敵は味方にしてしまえってこと?」
僕の言葉にウルサはケタケタと笑い声をあげると側近は殺気立つがグランディスがすっと手を挙げてそれを制した。
「言い辛いことをズケズケと言うのだな。だがその通りだ。我等も負けるわけにいかぬのでな」
「いいね、ぐらんでぃんすってはっきりしていて。じゃ、行こうか」
「グランディスだ!って、今行くのか!?」
「カズキ殿!ノイエンタールを裏切るのか!?」
「ちょっと遊びに行ってくるだけだって。そうだ!ウルサも行こうよ。あ〜そうしたら僕がどこに行ったのかわかんなくなっちゃうな。そうだ。ぐらんでぃす」
「グランディスだ…って、合ってるのか。なんだ?」グランディスは顔を赤くしながら聞き返してきた。
「その側近、ウルサと交換ってことで2〜3人頂戴?本陣の連絡役として使いたいkら。あ、ウルサがこっちに戻ってきたらちゃんとそっちに返すから」
「私の可愛い従僕達を?ふむ…まあ良い。よし、持って行け!」
「そ…そんなぁ…」
「グランディス様ぁ…」
少年達は恐怖に怯えた表情でグランディスにまとわりついた。
男のクセになよなよして情け無いヤツラだ。
でも考えてみれば、この世界は女が多くて社会的地位も高いから“男が女に媚びる”という構図も珍しくないのかもな…。
特にコイツらは“従者”兼“情婦(情夫?)”みたいなヤツラだから仕方ないのだろう。
それに戦争中の敵国に行かされるんだから、そりゃあ怖いだろうな…。
まあコイツらはどうでも良い。
僕は少年達にロザリア女王宛ての手紙(字の書ける部下に代筆させた)を渡してエーデルラント帝国へ向かった。

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