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異世界のリョナラー
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異世界のリョナラー 25

いずれにせよ先行隊の全滅という事態は看過できない。
「至急諸将を集めよ!!直ちに軍議だ。」
少年の一人が差し出した衣服を受け取りながらグランディスは命を下した。
着替えを始めた瞬間すぐそばで笑い声と悲鳴が響いた
「一体何事だ!?」
グランディスは慌てて服を着終えると、鎧を装着する間も惜しんでテントの外に出た。
「こ…これは…!!」
彼女は我が目を疑った。立ち並んだテント群の幾つかから火の手が上がっており、兵士達が慌ただしく走り回っている。そして地面には惨殺された兵士達が惨めな死体を晒していた。
「火を消せぇーっ!!」
「いや、それより敵の追撃だ!!」
「負傷者を診療所へ!」
「こっちも手伝ってくれ!」
グランディスは手近の兵をつかまえて訊いた。
「どうした!?一体何があった!?」
「敵の奇襲攻撃です!!少数ながら恐るべき強さで…」
「少数だと…!?」
先程の話にあった部隊に違い無い。まさか向こうから出て来るとは…。しかし、いくら強いとは言え、50人以下で総勢5万の本隊に攻撃して来るとは…。よほど自信があるのか、それとも馬鹿なのか…。
「まあ良い!叩き斬ってやる!そいつらはどこだ!?」
「いえ、それが…もう逃げました」
「もう逃げた!?」
「はい、敵は本陣内を一直線に駆け抜けながら、進路上にいた兵達を皆殺しにし、テントには火を放ち、まるで嵐のように来て去って行きました。閣下のテントのすぐ横も通過したはずですが…」
「まさか…あの笑い声は…」
グランディスはテントの中で服を着ようとしていた際に聞いた笑い声を思い出す。
「おのれぇ!!」
彼女は剣の柄を握り締めた。

「アーッハッハッハッハ!!敵の慌てっぷりったらなかったね!」
敵の前哨部隊を全て潰し、本陣にまで奇襲攻撃をかけたカズキ達は、味方の本隊と合流すべく帰路に着いていた。
「ついでに敵将の首を取っちゃえば良かったじゃないですか。カズキ様なら簡単でしょうに…」
「それは後の本戦の楽しみに取っておこうと思ってね。お、味方だ」
行く手にノイエンタール王国軍の本隊の幕営が見えてきた。

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