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異世界のリョナラー
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異世界のリョナラー 24

捕虜の一人が簡単に復活させる僕に怯え、困惑する。
ロザリア達も言っていたけど、回復や復活の魔法はとても高度で難しいらしい。
さらには失った部位まで再生させてしまうのは珍しいとか。
そんな魔法を難なく使う僕は神か悪魔かまた別のものなのか。それ以前に自分にこれから起こるであろう災いに拘束された体を震わせ縮みこませた。

その頃、エーデルラント帝国軍の本隊はカズキ達が大暴れした地点から更に数里後方に幕営地を設けていた。
「将軍閣下に至急のお知らせ!!将軍閣下に至急のお知らせぇーっ!!」
無数のテント(兵舎、診療所、馬屋、武器・食糧貯蔵庫など)の間を馬に乗った伝令が駆け抜けていく。やがて馬は他のものより一際大きなテントの前に土埃を上げて急停止し、伝令は飛び降りるように馬から降りるとテントに飛び込んだ。それはこの帝国軍5万を率いる総大将の住居及び司令部を兼ねたテントだった。
「将軍閣下!大変です!」
「何事だ!?閣下は今お休み中であるぞ!」
いきなり入って来た伝令を将軍の副官(珍しい男性の騎士)が咎めた。
「…構わん。通せ…」
垂れ幕で仕切られた奥から声がした。
「は!よし、行け!」
「は!」
伝令は奥へと入って行った。
「あ!こ…これは失礼いたしました…」
伝令は顔を赤らめて目を背けた。そこには大きな長椅子が置かれており、まだ顔に幼さの残る4〜5人の美少年達を侍らせた一人の大柄な美女が寝そべっていた。全員が裸である事から何をしていたのかは自ずと想像が付く。
「構わんと言っただろう…で、一体何があった?」
美女はゆっくりと半身を起こしながら伝令に尋ねた。彼女はグランディス将軍、エーデルラント帝国軍5万を率いる総大将である。
「は!悪い知らせです。本隊に先行して前哨に当たっていた部隊が全滅しました」
「全滅?一体どの部隊がだ?」
「全てです。前哨に出ていた部隊が…全て…」
「全てだと!?」
グランディスは驚いて立ち上がり、その拍子に彼女の大きな乳が揺れた。
「信じられん!敵が攻勢をかけて来たという報告は一切受けていないぞ!前哨には一部隊につき50〜60の兵力を配していたはず…それを全滅させるとなれば相当な兵力だ。我々の近くにそれ程の大軍が潜んでいたというのか!?」
「いいえ、閣下。逃げ延びて来た者の話によりますと、敵は50人以下の少数部隊だそうです。少数が驚くべき早さで複数ある前哨を次々と襲い、全滅させていったのです!」
にわかには信じがたいとグランディスは思った。
鍛えられた兵と指揮官が必要な事である。ノイエンタールにそのような人材がいるだろうか?
「(よほど腕の立つ傭兵でも雇ったか?そこまで思いきった人事ができる国とも思えんが…)」
ノイエンタールの歴史はエーデルラント帝国よりも遥かに古い。
50年以上まともな戦争を行っていない事もあって、門地や学閥が幅を利かせる硬直した人事がまかり通っている。

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