PiPi's World 投稿小説

異世界のリョナラー
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 18
 20
の最後へ

異世界のリョナラー 20

僕は塔(約5階建に相当)から飛び降りた。
ドシィ〜ン
「ギャアアアアアッ!!!?」
「あ…ごめん」
着地した時に運悪く真下にいた味方を一人踏み殺してしまったが、構わず前線に向かう。

「どうしたお前達!?なぜ本気で戦わん!?カズキ殿も言っていただろう!相手を敵と思って本気で行けと!このオレを殺してみろぉ!!」
そう言う間にもウルサは次々と相手側の兵士を血祭りに上げていった。
「く…くそぉ!かかれぇ〜!」
「「「うわぁ〜!!!」」」
隊長格らしき女兵士の合図で4〜5人が一気に襲いかかった。だが…
「甘い!!そんな剣で人間が殺せると思うな!」
次の瞬間には隊長を除く全員が斬り伏せられていた。
「ひ…ひいぃ…た…助けてぇ…」
女隊長は腰を抜かして尻餅をつき…
ジョロロロロ〜〜…
小便を漏らした。
「死ね!」
ズバァ!
ウルサの一太刀で女隊長の首が飛んだ。
「アーッハッハッハッ!!!誰かオレを殺せるヤツはいないのかぁ!!?」
ウルサは返り血を浴びながら高らかに笑った。
「ここにいるぞ!!勝負だ“おれっ娘”!」
「何ぃ!?おぉ!!カズキ殿か!面白い!いくぞおぉ!!!」
「来いやあぁ!!!」
僕は剣を振り上げてウルサに斬りかかった。
バキィンッ
僕の剣は弾き飛ばされ、ウルサの剣は僕の首筋に当たって真っ二つに折れた。
「な…何て体だ…!?負けた…」
「いやぁ〜、僕の負けだよ」
「ど…どうして…?」
「僕は規格外だからさ。僕が普通の人間だったら今ので首を切られて死んでた。だから負けだ。さて、死人は退場して死傷者の手当てでもしてあげるとするかな…」
「何と…ククク…ハァーッハッハッハッ!!!カズキ殿!!あんたは実に気持ちの良い戦士(おとこ)だ!!」
ウルサの豪快な笑い声を背に僕は戦線を離脱した。
「あ痛!」
何かにつまづいた。足下に目をやると先ほど刺し殺した騎士団長オリビアの死体だった。そう言えば生き返らせるのを忘れていた。死体はこの混戦の中でみんなに踏みつけられたらしくグチャグチャになっている。僕はオリビアを生き返らせてやった。
「う…う〜ん…」
「おはよう、騎士団長殿」
「あ!カ…カズキ殿!また私を殺してくれたな!?……って何だこれは!!?もう敵が攻めてきたのか!?」
「違うよ。両方共味方だよ。訓練で実戦をしてるんだ」
「な…何という事を…!!!」
オリビアは何故か泣き出した。
「女王陛下の軍隊が例え訓練とはいえ相討つような事態を引き起こしてしまうとは…!!陛下より軍をお預かりした身でありながら、このオリビア一生の不覚!!死を以てお詫びをーっ!!!」
オリビアは手元に落ちていた剣を拾い上げると自分の喉を切り裂いて死んだ。
「あ〜あ、せっかく助けてあげたのに…大事にしろよ命を」

この訓練はオリビアだけでなくロザリア女王もかなり嫌がった。彼女は初めて自分の軍隊が殺し合うのを見た時「これは夢よ!!!」と絶叫して泣き崩れた挙げ句に失禁した。だが何より兵士達本人の強い希望により連日行われる事となった。これは僕にとっては最高のショーだった。何せ大集団による本物の殺し合いだ。しかも自分も参加出来るのだ。

そして一週間が経った。初めガールスカウトみたいだったノイエンタール軍は今や歴戦の精鋭軍団へと成長を遂げていた。だって僕らは本当に戦争をしていたのだ。王都郊外に出て山野や森林で戦った事もあった。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す