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赤色の髪の皇子
官能リレー小説 - ファンタジー系

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赤色の髪の皇子 1

この話は、ある大陸でおきた話である。
この大陸にはいくつかの国があり、たえまなく争っている。その中の一つの国アカイア王国、この国の国王は残酷で臆病であった。
この国王には息子がいてカインという。カインは16歳になり、まだまだ潜在能力が高く、性格も優しく、顔立ちもまさに美男子といった感じである。この潜在能力ゆえに王はカインを恐れ、王都から離れた町にすまわせていた。またこの町にはカイン専用の軍隊がつくられ牢屋もあった。
この牢屋には先日滅ぼされた国の姫がいた。
これはカインの物語である…
カインの趣味といえば狩猟と読書であり女にはまったくと言っても興味なしである。あの暴君の血が入っているとは思えないほどだ……それどころかカインが住む城下街に対しても大した国民負担は求めないといった様子でアカイア王国に残された最後の良心とも言われた。

「ユーキリー……先日父君が滅ぼしたヘルドィク公国の姫君は?」

ユーキリーとはカインの側近の一人でありカインが赤ん坊の頃から世話役して仕えている男である。

「牢屋に入れてますが……」

「城に移せ……ベルドィク国民との融和をする上では彼女の扱いに左右される、後一人同郷の女中をつけてやれ」

カインは言うとユーキリーは頷く。
「それとズッツ兄上の目には決して触れさせぬよう、まだ見たことはないが噂では国一番の美人と称されているみたいだからね」
ズッツ、本名ズツェルと言う名前の父上が一番気に入っている息子である。
言ったとおりの好色ですでに3人も妾が居てどれもかなりの美人であると聞いている。
「それと後で姫にお目にかかりたいと伝えてくれ、その際にも失礼が無いよう客人として扱うように」
カイルが聞いた話ではまだ姫は15歳、自分よりも1歳年下である、そのような人物に不安を募らせるようなことが合ってはならない。
カイルとしてはどうしても姫と友好関係を築き上げ、国民とも和平をと考えているのだ、だからまずは丁重に迎えねばならないのだ。
「はっ、ではその旨をお伝えします、失礼を」
ユーキリーはカインに向かって一礼すると部屋から出て行く、カインとしても信頼の置けるユーキリーに任せておけば大丈夫だろうと安心できる。

カイルは暇な時間が出来たと思うとまだ読みかけであった本を取り出し読み始める。
しかしそれもひとつの物音によって終わりになった、ドアがノックされたのだ。
「どうぞ」
カイルが一言ドアに向かって言うと、そこから温厚な顔立ちをした青年が部屋に入ってきた。
「まだ本を読んでいるのか?」
「うん、だって暇なんだもん」
先ほどとは違い、カインは年相応の口調と反応を青年に返している。
彼はネスト、カインの祖父の姉の子供の子供、つまりははとこに当たる人物でカインと同様、温厚な性格でまだ幼いカインを補佐するために父上から命令されてここに来た。
だがカインと同じくここへ左遷されたと言えば分かりやすいだろうが本人は全く気にしていない。
ちなみにカインよりも4つ年上で20歳、既婚済みで正室が1人、カインとも親交が深くカインの兄のような人物である。

アカイア王国はカインの祖父によって建国された国だ。祖父はカインの様に余り領土拡大は狙ってはなかった……アカイアの大地は大陸でも指折りの農耕に適した大地を持ち、気候も安定している。しかし祖父は急に退位してフェルトンが王座に付くや否や領土拡大戦争が勃発した。ズツェル皇子が指揮を取りアカイアは確かに栄えたが新たなる国民、つまり滅ぼされた国の民衆が反乱を起こしてもおかしくは無い。
「カイン………お前がよければあの姫と一生を添い遂げる気はないか?」
カインは口に含んだ茶を飲んでいたところだったので咽た。
「ネスト兄さん……ズッツ兄さんや父君が黙っていられますか?」
「大丈夫だ……王都に要るお嫁さん候補よりはマシだ」

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