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月の騎士
官能リレー小説 - ファンタジー系

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月の騎士 17

頷きあうと、左右から二人を挟み込んだ。
「ラムドさん〜♪」
「いいことしましょ♪」
「ダメです。」
あっさりと拒否すると、ラムドは立ち上がった。
「なーっ!猿化していたラムド殿が!なぜ!」
「俺は生まれ変わりました。それに夜の火は盗賊の目印になる。見張りは俺がするから、先に休んでくれ。イラースさんは、後で交代をお願いします。」
淡々と告げると、ラムドは岩の上に飛び乗って胡座をかいた。
「ぬぬぬ…」
「手強いですね。」
「てか、アタシの邪魔をしといて何よそれ。」
ジト目で睨むアリッサを放っといて、二人はいそいそと寝転んだ。
そして翌日。相変わらず散歩気分の中、やっとモンスターが現れた。
大リスA
大リスB
「きゃーっ♪」
「可愛い〜♪」
「あのねぇ、油断してると一生モノの傷になるわよ。」
ラムドとイラースは、座って二人を見ている。
素早い動きで左右からアリッサに迫る大リス二匹。
「わわわっ!えいっ!」
「ギャッ!」
引き付けてから蹴りあげると、一匹が宙を舞った。
「それっ!」
ユールの掌から昨晩よりも大きな炎が放たれて、もう一匹も火だるまになる。
アリッサは8の経験値を得た。
ユールは8の経験値を得た。
2G手に入れた。

「うんうん、向こうからまた来るよ。しっかり経験値を稼いでね。」
「はーい♪」
元気に返事をする二人を満足そうに眺めていると、イラースがもたれてきた。甘い女性の匂いが鼻を擽ってくる。
「する事ないですね♪」
「見守ってます。」
「もぉ…じゃあ、コレは?」
指で輪を作って、口の前で動かす。
「イラースさん!」
「ね〜ぇ、ラムド殿…♪あ、私の初めては奪ったから、もう用済みなんだ?」
「そんな訳…あっ!」
イラースの手が、股間をまさぐってくる。
「私はラムド殿に気持ちよくなって欲しいだけなんですよ…♪こう見えて尽くす女なんですよ?」
ライバル二人が遠くで大リスを追い掛けているのを見て、ニタリと笑った。
「一回だけ、しましょ?」
「イラースさん!」
「あーん♪ラムド殿〜♪」
結局、煩悩を捨てられなかったラムドはイラースにのし掛かった。濃厚なキスを交わして舌を動かしながら、お互い慌てるように下半身の服を脱ぎ捨てる。
「きて♪すぐきて♪」
「はぁ、はぁ、イラースさん、いきますよ、」
ずぶずぶとゆっくり挿入していくと、イラースは嬉しそうに抱き着いた。
「あぁああん♪」
「はぁ、はぁ、イラースさん、」
「あ、あ、んっ、呼び捨てに、して♪」
「イラース、イラース、はぁ、はぁ、」
がっつくように腰を振りながら、イラースに抱き着くラムド。そして、またしてもあっさり果てた。
「あぁーん!いっぱい!あっ!あっ!」
脈打つ男根の感触で、イラースの身体はピクピクと震えて喜んだ。

「ラムドさーん!」
「レベルが2も上がりましたー。」
何事も無かったように、ラムドは座っている。イラースも、ご機嫌な様子でニコニコしていた。
「お疲れ様。今日は近くのケト村に宿を借りよう。明日は王都エンパシアまで一気に歩くよ。」
「はーい♪」
ケト村に辿り着いて宿へ向かう途中、ラムドが立ち止まった。視線の先で、酒場の前で騎馬が繋がれている。
「すまん、先に行っててくれ。」
それだけ言うと、ラムドは行ってしまった。
「なにかな?」
「知り合いとかじゃ?」
「はいはい、詮索は無用よ。休みましょ。」
酒場のドアを開けて、中を見渡す。振り返った騎士が、驚きの表情を浮かべた。
「ラムド…」
「お久しぶりです。クルガ隊長。」
同席していた若い騎士二人が、慌てて立ち上がった。直立して、大声を上げる。
「ラムド先輩!」
「ご無沙汰しております!」
「やめてくれ。もう騎士じゃないんだ。」
「ラムド、お前、ココで何を…まぁいい!とにかく座れ!飲め!」
「失礼します。」
蓄えた髭を触りながら、クルガは嬉しそうに椅子を引いた。
「そうかそうか、西の村にいたのか。」
「はい。今はまた旅を始めたばかりです。しかし、任務をサボっていいんですか?」
「お前達、見回りしてこい。」
「えーっ!」
「隊長ばっかずるいですよ!俺達だってラムド先輩と…」
非難の声を上げる騎士達の訴えをクルガはもちろん認めなかった。
「あーうるさい!俺は大事な話をラムドとするんだよ!散れ散れ!」
「ひでー…」
「後で報告書にまとめようぜ。」
「聞こえてるぞー。」
ブツブツと文句を言いながら、二人の騎士は酒場から出ていった。
「相変わらずですね。」
「いいかラムド、もう騎士に戻らないならこの国を出ろ。」
「え?」
「忠告だ。どこでも構わん、バラドラでもいい。」
「…どういう事ですか?」
怪訝な表情を浮かべて、クルガを見るラムド。真剣な目で、こちらを見返してくる。
「騎士団は割れるかもしれない。アギルダン様の事で不穏な噂が流れている。」

太陽の騎士アギルダン。
五聖剣の中で、最も騎士の信望を集めている男。
月の騎士セガイグに勝るとも劣らない実力者で、地の騎士サーベンの実の息子でもある。
「以前から、5年前の和議に不満を抱いていたらしいんだ。騎士団も無傷で勝った訳じゃない。父親や息子を失った家庭は沢山ある。それなのに、遺族に支払われた見舞金は決して多くなかった。元々、穏やかな国であっても豊かな国じゃない。アギルダン様は、バラドラからの賠償金を増やしてもっと遺族へ支払うべきだと王に何度も直談判していた。」
「…」
自分が騎士だった頃にも、聞いた事がある。アギルダンが、主たる王に声を張り上げた事もあったと言う。
「アギルダン様は、騎士団の象徴だ。万が一、離反なんて事になったら騎士団の三分の一はついていくぞ。」
「まさか…」
ありえない。なにより義を重んじるアギルダン様が、王に刃を向けるなんて事はあってはならない。

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