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月の騎士
官能リレー小説 - ファンタジー系

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月の騎士 1

群雄が割拠する大陸ルベダルア。大小様々な国が大陸の覇権を狙い戦を繰り広げていた。
大陸の中心に位置し、最も広大な領土を有するバラドラ帝国。
その北に位置し、帝国に次ぐ領土を持つマクサガム。
この二つの強大な国に面する西の小さな国、物語の中心となるラドク。
過去に、ラドクはバラドラ帝国の侵攻を受けた。圧倒的な兵力のバラドラ帝国軍に対し、ラドクの騎士団は5分の1にも満たない兵力で迎え撃った。
「この戦、どうなりますかね。」
「今のところ、こちらにあるのは地の利だけよ。」
「ならば、天の時と人の和を。」
ラドクでは、武力、魔力、品格、カリスマ性、全てを備え秀でた五人の騎士に対し、聖騎士の称号を与えた。五人の騎士は、それぞれ太陽、月、星、天、地の騎士と呼ばれ、騎士団の中枢となっている。
「そろそろ嵐になろう。帝国の大隊は渓谷で軍が伸びる。この機こそ天の時、後は我々の団結力だ。」
重々しい鎧の老将が立ち上がり、剣を前に出した。他の四人の騎士も剣を抜き、老将の剣に重ね合わせる。
「ゆくぞ。我らはラドクの盾となる。例え我が命を落とそうとも、王と姫と民衆に手出しはさせん。」
一方、帝国軍の指揮官は完全に油断していた。
圧倒的な兵力と、ラドク側から放たれた偽の情報を鵜呑みにし、渓谷を越えた先に敵軍の姿は無く、騎士団は王城とその近辺にて守りを固めていると考えていた。
「これは何事ですか将軍!このような場所で軍を留め宴会など…」
「おぉイラース、お前も飲め飲め。行軍で兵達の士気も落ちておる。戦の前の休養も必要であろう。」
酒を飲みながら部下の士官達と騒いでる将軍ガルバスに、副官のイラースは胸騒ぎを覚えた。
「ここは敵の領土です!万が一、奇襲を受けでもしたら…」
「田舎騎士どもの目論見などお見通しよ。守りを固め時間を稼ぎ、兵力の削がれている我が国を北が攻め込み、防備のために撤退するのを期待しているのだろう。王は田舎の五聖剣とやらに警戒して3万の兵をワシに預けたが、一騎当千と言えど二万五千もお釣りが出るわ!ガハハハハ!」
「(バカな…ラドクの五聖剣と呼ばれる者達が、北が動くのを頼りに軍を動かすなど…。考えられるのは…渓谷を越えた大草原での玉砕覚悟の突撃、報告通りに守りを固めての和平、もしくはココか。確かに軍は伸びてるが、前面、後面には主力を配置してる。)」

その頃には強風が吹き雲行きも怪しくなっていた。
「嵐が来るかもしれんな。天候が落ち着くまでは行軍は控えよう。いいな、イラース。」
「はっ…」
強風は激しい豪雨と雷鳴を呼び、足止めとなった帝国軍に、突如現れた太陽の騎士アギルダンと地の騎士サーベンの率いる騎士団三千が攻撃した。警戒して前方の隊に居たイラースは、自ら部隊を指揮し即座に対応したが、騎士団の勢いは凄まじく、士官は次々に討ち取られ押し込まれていく。

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