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月の騎士
官能リレー小説 - ファンタジー系

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月の騎士 15

ポン、と肩に手を置かれたラムドは、ギョッとして村長の顔を見る。
「そうだよな。そういう関係だったなら、離れたくない気持ちは充分に解る。なぁに、俺が死ぬまでに帰って来てさえくれれば…」
「ちょっとー、あんまりラムドさんにプレッシャーかけないでよ〜♪」
満更でもなく、むしろ好機と見たアリッサは、ここぞと言わんばかりに乗っかってくる。
「お、俺は、あ、ユールさんの様子も見て来ないと!アリッサ、旅支度しとくんだ!じゃ!」
屈強な大型モンスターにさえ背中を見せた事の無いラムドだったが、初めて逃げるようにその場から離れた。そして、また自己嫌悪に陥る。
「(何をやってるんだ俺は…ちゃんとアリッサと一緒になるって宣言するべきじゃないか…。)」
傍目にも落ち込んでいるラムドは、トボトボと歩いてユールの家に辿り着く。
ドアをノックすると、ユールの母親が迎え入れた。
見聞を広げるのは素晴らしい事だと快諾して、父親と唯一の武器屋まで装備を整えに行っているらしい。
そう話ながら、ユールの母親ユミアは妖艶な笑みを浮かべた。16歳の娘がいるとは思えない美貌とプロポーションで……
「(俺はどうなってしまったんだ。狂ってしまったのか。)」
「あぁっ!あぁんっ!ラムドさん、素敵っ!あの人よりいいっ!」
艶っぽい大人の誘惑に負けて、夫婦のベッドで裸のユミアに全力で腰を打ち付けていた。
「(よりにもよってユールの母親と、俺は最低だ!)」
頭の中で現状を理解しながらも、ラムドの腰は止まらない。背徳感とスリルで、痺れるような興奮に襲われる。
「ああっ!いいっ!激しっ!あっあっあっ!」
「ユミアさん、出そうです、はぁ、はぁ、」
「いいから!そのまま!ユール、弟を欲しがってたの!あっ!あっ!中に出してー!」
「ううっ!」
ユミアにがっちりと抱き着かれて、ラムドは深々と奥に大量の精液を射精した。自分でも驚く程の量を出しているのが解る。
「あぁぁ…すごい…ラムドさん…あ…あ…はあ…はあ…」
長い黒髪を乱れさせたユミアが、息を荒くしながら下腹部を触った。本当に、妊娠を期待しているように見えて、何とも言えない感覚を覚える。
玄関からドアが開く音がして、二人は慌てて服を着た。ユールの声がして、ドタバタと椅子に座る。
「あ、ラムドさん、いらしてたんですか♪」
杖と紙袋を抱えたユールが、嬉しそうにテーブルに荷物を広げた。
「私、運動神経が鈍いんで魔法の勉強をしようと思って。」
魔法の入門書と杖を並べて、ユールは微笑む。
「い、いいと思うよ。」
「そうねぇ。お姉さんが魔法使いだなんて、この子も喜ぶんじゃないかしら。」
ニッコリ笑いながら、ユミアはお腹をさすった。脂汗を浮かべたラムドは、あっちこっちに目が泳ぐ。
「え?ママ?もしかして…」
「まだハッキリと解った訳じゃないけど、そんな気がするの。あ、パパは?」
「店主さんと飲んでくるって。」
「(よかった、今は顔が見れない…)」
ホッと息を漏らすと、ユールが顔をジッと見ている。
「ど、どうかしたかい?」上擦った声が出てしまい、これ以上無いくらい怪しい。
「ラムドさん、口に何かついてますよ?」
それがユミアの口紅と気付いたラムドは、いきなり立ち上がった。
「ちょっと滝に打たれてくる!修行が足りない!」
「あっ!ラムドさん!この辺りに滝なんて…行っちゃった。」
「生真面目で熱心で、素敵な方ね。ユール、逃がしちゃダメよ?」
「わかってまーす。支度支度♪」
「フフッ…」
妖しい笑いを浮かべるユミアだった。
………
「まさか、失踪なんてありえないわよね?」
「お父さんが次期村長とか言ったからかな…」
「私の家に居た時も、少し様子が変でした。」
ラムドが村から姿を消して丸一日。それぞれ装備を整えて、出発の準備は出来ている。

イラース
帝国の剣
上級士官の軍服
上級士官のブーツ

アリッサ
メリケンサック
革の胸当て
革の靴

ユール
練習者の杖
ローブ
革の靴
銀の指輪

「どうすんの〜。私は別として、貴女達のレベルじゃ村から出てすぐアウトよ?」
「てかラムドさんがいないなら行かないから!」
「私も。」
そんな話をしていると、ドアが勢い良く開け放たれた。上半身裸のラムドが仁王立ちしている。
「ゼェッ…ゼェッ…待た、せた。」
「ラムドさ〜ん!どこ行ってたんですか?」
「ゼェッ…ゼェッ…、滝、打たれてきた。シカラバの、森まで。」
呼吸を整える暇も無く、ラムドは替えの服に腕を通す。
「シカラバの森って…往復だけで二日はかかりますよ?」
「はぁ、はぁ、だから、走って、きた。」
「嘘でしょ…」
「土産、ある。」
ラムドが三人に手渡した物は、シカラバの森にしか自生しない高級薬草、シカラバ草の束だった。
「え〜…」
薬草はありがたかったが、さすがのイラースも少し引いた。
「はぁ、はぁ、ふぅぅ、よし、行こうか。」

ラムド
ガラティーン
ダガー×5
布の服

「なんで滝に打たれに?」「精神修行だよ。今の俺は、昨日の俺とは一味違う。」
珍しく多弁なラムドだったが、見送りに来てくれた村人の中にいたユミアに耳元で何かを囁かれると、明らかに動揺してしまっていた。
「じゃ、気を付けて行って来い。死んでも帰ってこいよ〜。」
村長の無理難題を後ろで聞きながら、四人の旅は始まったのだった。

歩くこと数時間、全くモンスターに出会わない。
「なんか、全然敵がいないですね。」
「つまんなーい。」
期待外れと言わんばかりの二人に、イラースは呆れ顔を向ける。
「この辺りって貴女達からしたら強いモンスターが多いの。モンスターって強ければ強い程に知能と感受性が高いのよ。ラムド殿がいるんだから、逃げるに決まってるわ。」
「もう少し行けば、モンスターのレベルも下がる。そしたら二人の出番だよ。」ラムドにそう言われれば、二人は燃えてくる。どんどん強くなれば、ラムドが誉めてくれるに違いない。

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