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世界征服
官能リレー小説 - ファンタジー系

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世界征服 50

「勇者様ぁ、次は私に子種を植え付けてちょうだぁ〜い」
「ずるいずる〜い、私が先よぉ〜」
一人の女はアルスに向かって脚を開いて淫汁の滴る陰部を見せ付け、もう一人は四つん這いになって尻を差し出してアルスを誘う。
「よし、二人交互に相手してやろう!」
「「きゃあぁ〜〜♪」」
そこに…
「情け無い…一体何をやっておるのだ」
突然寝所に男の声がしたので、三人は思わず振り向いた。
「ハ…ハンゾウ殿!?」
そこに居たのは半ば呆れ顔のハンゾウだった。
「「キャ…!!?」」
「おっと…少し静かにしていてもらおうか」
ハンゾウは盛大に悲鳴を上げようとした女達の鳩尾に素早く拳を叩き込んで気絶させた。あまりの鮮やかな手口に思わず感心するアルス。
「そ…それでハンゾウ殿、一体どうしたのですか?」
「どうしたもこうしたも無い。お主を連れに参った。この皇宮から脱出させてやる。急いで支度をしろ」
「…明日ではいけませんか?」
「今だ!」

身支度を整えたアルスはハンゾウと共に衛士達の目を盗みながらツクヨミとセレナの待つ北門前へと向かった。

「アルス、遅い!」
「ご…ごめんよ、セレナ」
ツクヨミは二人に衣を手渡す。
「二人共これを被って顔を隠せ。門衛は買収済みだ。素知らぬ顔で通り抜けよ」
「ありがとうございます!」
その時、ハンゾウが言った。
「…ツクヨミ様、どうやらアマテラス様はそう簡単には行かせてくれぬようです…」
「なに…っ!?」
気付くと一行は衛士達の一隊(約50名前後)に囲まれていた。
門は閉ざされたままだ。
ツクヨミは門衛に向かって叫ぶ。
「おのれ!裏切ったな!?」
「も…申し訳ございませぬ!いくらツクヨミ様の仰せとはいえ、女皇様には逆らえませぬ!ましてやヤマトの国のためを思えば…!」
「その通りじゃ!」
門衛達の中からアマテラス女皇が姿を現した。
「ツクヨミ、愚かな真似をしおって…お前達!この者らを捕らえよ!」
「「「ははあ!!」」」
衛士達は一斉に四人を取り押さえにかかった。
「させぬ!」
ハンゾウは煙玉で衛士達の目を眩ませる。
「おぉ!周りが見えぬ!見えぬぞぉー!」
「アルス殿!ツクヨミ様!どこへ行かれたぁー!?」
「わぁ!拙者の袖を引っ張るのは誰じゃあ!?」
衛士達は混乱している。
アマテラスは叫んだ。
「おのれ小癪な…弓を射よ!」
「なりませぬ主上!アルス殿やツクヨミ様に当たったらいかがなさいます!」
「構わぬ!勇者が他国の手に渡るぐらいなら殺すまでじゃ!ツクヨミも妾とヤマトを裏切った罪は万死に値する!構うな!やれぇい!」
「は…はい!」
衛士達は弓を構える。
ツクヨミは言った。
「アルス殿!セレナ殿!これでお別れだ!ここは我らで食い止める!門に向かって走れ!」
「ツクヨミ殿…済まん!恩にきる!」
「ありがとう!」
アルスとセレナは走った。
二人と衛士達の間に立ちふさがるツクヨミとハンゾウ。
「ここは通さん!」
「通りたくば我らを殺して行け!」
「…放てえぇー!!!」
衛士達の放った数十の矢が彼らを襲った。

その瞬間。
「はあぁぁーっ!!!!」
アルスは腰の剣を抜き放ち、分厚い門扉を一刀の元に切り裂いた。
 ズドオォォン…
「行くぞ!セレナ!」
「ええ!」
ついに二人は皇宮を脱したのだった。


「……?」
ツクヨミは自分は死んだのだと思った。
だが何かおかしい。
恐る恐る目を開く…
「ハンゾウ…!?」
「ひ…姫様…ご無事で何より…ゴフッ!」
何と、ハンゾウが盾となって矢を防いでくれていたのであった。
体中に刺さった矢で前面がハリネズミのようになったハンゾウは、ツクヨミの無事な姿を見てニッと笑って倒れた。
「ハンゾウ!しっかりせい!ハンゾウ!」
ツクヨミは倒れたハンゾウを抱き起こして何度も何度もその名を呼ぶ。
だが彼はもう答えなかった。
「ハンゾウ、見えるか…アルス殿達は無事に逃げたぞ…お前のお陰だ…ハンゾウ!…ハンゾウ!!」
ツクヨミはもう物言わぬハンゾウにすがりつき、さめざめと泣いた。
「なんという…なんという事を…」
一方、アマテラスはまるで憑き物が取れたかのような呆けた顔でブツブツとつぶやいていた。
その瞳は、どこかあらぬ中空を見つめているようであった…。



「着いたぞぉ!」
「あれがアルティス商業連合の首都“商都アルティス”だな!」
「長い旅路だったな!」
その頃、聖剣を持った元王国の騎士達はアルティス商業連合に到着していた。

アルティスは他の国々とは国家の性質が異なる。
まずその成り立ちからして変わっていた。
元々この地方には大きな統一国家が無く、小領邦や都市国家などの小国が乱立している地域だった。
その頃から多くの商人達が行き来し、商売は盛んであったが、やがて商人達の一部は富を蓄え、都市国家内での発言権を増して来た。
商人達が政治の世界に参入して来ると、当然ながら昔ながらの王族や貴族達は反発し、それに対抗する形で商人達も互いに手を組み、団結し、さらに勢力を拡大していく…。

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