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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 48

「ともかく追いかけるぞ。」
「はい。」
小声で多くの返事が返る。身を潜めたまま魔物たちは追跡を開始した。後には気絶した熊だけが残された。



「ライズ殿、待ってくれ!」
「ライズさん!」
必死に追跡するライズに後方から声がかかる。
「なんだよ!」
気が立っているライズはぞんざいに応じた。
「とにかく話を聞いてください、まずはそれからです」
「話なんか聞けるか、姫を掠われて黙っていられるか」
ライズは立ち止まらず、そのまま走り抜ける。
「仕方ない・・・」
ジュラーブリクが壁の仕掛けに手を伸ばす。
突然、ライズの上からゲル状の生き物が降ってくる。

ベチョーン
「なんだこりゃ」
スライムだった。
ライズは足をスライムに絡め取られた。
「むぅ〜」
ジタバタともがくが弾力のあるスライムは並大抵の力では切れない。
「…馬鹿め… まぁ良いよ。
一分だけ聞いてやるから早く話せ、さらに離せ。」
口調荒く話す。
「最低でも、俺を離した方が利口だぞ。」
そう話しながらも目だけは洞窟の奥を睨む。
「それはどういう意味だ・・・」
ジュラーブリクが問いつめようとすると。
「兄上、誰か来ます」
「?アンナどのだろ、なら別に」
「いえ、もっと大勢の人間がやってきます」

そこへ息せき切ってアンナがやってくる。
「大変です、魔族の神官が大勢こっちへやってきます」


こちらは魔族の部隊。いまや彼らは洞窟に入っていた。ライズが熊たちを気絶させたおかげで追跡は楽だった。護衛の魔族の戦闘部隊を先頭に、ザラディエが直卒。その後ろにいた部隊から一人の女性が出てきた。
「私たちの出番のようですね。」
期待感に満ちた声がする。
まっ黒い艶やかな肌に艶やかな濃茶色の髪。長身で引き締まった体にビキニアーマーをまとった魔族の女性だ。
彼女の後ろにはヌシの子種で子を生すべく集めた優秀な魔族の女性が何人もいた。メメール駐屯軍の者が多いが、近隣の部隊に頭を下げて集めた者もいる。その彼女たちはいずれも期待感を漂わせている。それはそうだろう。ヌシほどの男の子種を手に入れる機会など魔物たちの間でさえそうそうあるものではない。強い子供を欲する本能はどの種族にもあるのだ。
中には花嫁衣裳のものさえいた。

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